宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年11月30日、小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイに向けた、軌道補正マヌーバの3回目(TCM3)を行わないことに決定したと発表した。
「はやぶさ2」は現在、地球に近付くように飛ぶ軌道に乗っており、今月3日に最接近し、地球の引力を利用して軌道を変える「地球スイングバイ」を実施する。この地球スイングバイによって、太陽に対する「はやぶさ2」の速度は、約30.3km/sから約31.9km/sに増速し、目的地である小惑星「リュウグウ」に向けて、航行コースを変える。
スイングバイを行うためには、事前に正確な軌道に入っている必要があり、JAXAではそのための軌道修正を実施した。1回目は11月3日(TCM-1)、2回目は11月26日(TCM-2)に行われたが、TCM2後の精密軌道決定の結果、地球スイングバイを行うにあたっては現在の軌道で問題ないことが確認されたため、3回目(TCM3)は実施しないことに決めたという。
「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられ、現在まで順調に航行を続けている。2018年の6月、7月ごろに目的地である小惑星「リュウグウ」(1999 JU3)に到着する予定で、約1年半にわたって探査活動を行い、2019年11月、12月ごろに出発。そして2020年の11月、12月ごろに地球に帰還する計画となっている。
Image Credit: JAXA/池下章裕
■JAXA はやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp