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米航空宇宙局(NASA)は2015年11月20日、開発中の宇宙船「オリオン」の熱防護システムを改良すると発表した。

オリオンはNASAとロッキード・マーティン社が開発中の宇宙船で、月や火星への飛行にも使えるように造られている。2014年12月5日には、無人での試験打ち上げミッション「EFT-1」が行われ、地球周回軌道からの帰還に成功している。NASAでは、このEFT-1の結果を受けて、各所の改良を続けている。

今回改良が発表されたのは、宇宙船の外側を覆う熱防護システムで、バック・シェルと呼ばれる宇宙船の側面部分は、これまで断熱タイルの色がそのまま出た黒色をしていたが、その表面に金属コーティングが施されることになり、全身が銀色になった。このコーティングにより、宇宙空間での太陽光の入射を抑制し、また宇宙船内の熱の放出も抑えられるようになるという。また航行時や大気圏再突入時の帯電も防げるという。

さらに、大気圏再突入時に熱を一挙に受ける耐熱シールドも、これまでは単一の円盤状の部品で構成されていたが、180個のブロックで構成するようにするという。またこのシールドの質量を小さくする方法も見つかったとしている。

これら新しい熱防護システムを搭載したオリオンの打ち上げは、2018年11月ごろに行われる予定となっている。このミッションも無人だが、月まで飛行し、その周囲をまわって帰還する計画となっている。

Image Credit: NASA

■Engineers Refine Thermal Protection System for Orion’s Next Mission | NASA
http://www.nasa.gov/feature/engineers-refine-thermal-protection-system-for-orion-s-next-mission