米ワシントン州シアトルにある航空宇宙関連の博物館「The Museum of Flight」で、アポロ計画で使われた「サターンV」ロケットの第1段エンジン「F-1」の部品の展示が始まった。
サターンVの第1段は高度約60kmまで上昇し、分離された後は大西洋の海上に落下する。海底に没したエンジンは長らく行方不明となり、手付かずの状態だったが、Amazon.comの設立者で、宇宙ヴェンチャーのブルー・オリジン社を立ち上げたことでも知られるジェフ・ベゾス氏率いる調査チームが、2013年に海底から引き上げることに成功した。
今回、展示が始まったのはアポロ12で使われたサターンVのF-1エンジンの中の、推進剤を燃焼室に噴射するインジェクターという部品。アポロ12の打ち上げから46周年にあたる11月19日に報道関係者にお披露目され、21日からは一般にも公開されるという。
なお、この展示は2016年1月4日までの期間限定のもので、その後は2017年初頭ごろまで倉庫に保存された後、新しく造られる「アポロ展示場」において、他のエンジン部品や、アポロ16で使われたサターンVのエンジン、また月の石などと共に、常設展示が行われる予定だという。
Image Credit: The Museum of Flight
■Museum Reveals Historic Rocket Engines from Apollo 12 and Apollo 16 | The Museum of Flight
http://www.museumofflight.org/content/museum-reveals-historic-rocket-engines-apollo-12-and-apollo-16