米航空宇宙局(NASA)は2015年10月28日、開発中の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の「統合科学機器モジュール」の極低温試験が始まったと発表した。
試験はメリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターにある、熱真空チャンバーで行われている。モジュールをチャンバー内に入れた後、内部の空気を抜いて真空状態にし、チャンバーの壁面などに液体窒素と液体ヘリウムを流すことで、内部の温度を大きく下げることができる。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、地球から約150万km離れた、太陽・地球系のラグランジュ第2点で運用される。この場所では、宇宙機は40ケルビン(摂氏-233.15度)というとても低い温度環境にさらされるため、その中でもきちんと動くかを試験する必要がある。
統合科学機器モジュールは、科学機器が搭載された、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の心臓部に当たる部分で、これまでに音響試験や電波干渉試験などをクリアしてきている。極低温試験は今回で3回目となり、また最後となる。試験が完了した後、同モジュールは望遠鏡の他の部品と結合される。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、現在も活躍している「ハッブル宇宙望遠鏡」の後継機で、2018年10月ごろの打ち上げが予定されている。
■NASA's JWST Science Instruments Begin Super Cold Test at Goddard | NASA
http://www.nasa.gov/feature/goddard/nasas-james-webb-space-telescope-science-instruments-begin-final-super-cold-test-at-goddard