米航空宇宙局(NASA)は2015年10月28日、開発中の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)の第2段機体の試験機が完成したと発表した。

この機体は「暫定的な極低温推進段」(ICPS, Interim Cryogenic Propulsion Stage)と呼ばれており、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社が製造を手掛けた。ICPSは「デルタIV」ロケットの第2段機体を改造したもので、SLSのブロック1と呼ばれる、低軌道への打ち上げ能力70トン級の構成で使われる。

このICPSの試験機は実際の打ち上げには使われず、ボーイング社に引き渡され、今後アラバマ州ハンツヴィルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターで、打ち上げを模した各種試験などで使われる。

実機のICPSの製造も並行して進んでおり、それを積んだSLSブロック1の打ち上げは、2018年以降に予定されている。

SLSブロック1は試験機的な位置づけであり、現在より強力な第2段「探検用上段」(EUS, Exploration Upper Stage)の開発も進んでいる。実運用機であるブロック1Bやブロック2ではEUSが使われる予定となっている。

 

■NASA Marks Completion of Test Version of Key SLS Propulsion System | NASA
http://www.nasa.gov/exploration/systems/sls/completion-of-test-version-of-key-sls-propulsion-system.html