米国家偵察局(NRO)は2015年10月22日、1960年代に計画されていた軍用の有人宇宙ステーション「MOL」(モウル)計画の機密を解除し、当時の文章、写真などを公開した。

MOL(Manned Orbiting Laboratory)は、1960年代に米空軍が計画していた軍用の有人宇宙ステーションで、表向きは軍人の宇宙飛行士によって科学実験などの行うことが目的とされていたが、実際のところはソヴィエト連邦の写真を撮影することを一番の目的としていた。当時は無人の衛星よりも、人間のほうが効率が良いと考えられていた。

また、MOLに宇宙飛行士を送り込むための「ジェミニB」宇宙船も開発された。

開発は1963年12月から始まり、1966年11月3日には、タイタンIIICロケットによって、MOLの実物大模型と、ジェミニ2を改修したジェミニB宇宙船が無人で打ち上げられた。しかし、飛行はこの1回のみで、以降無人の飛行も、もちろん有人飛行も行われないまま、1969年6月にニクソン大統領によって計画は中止された。

 

■NRO - Declassified Records: GAMBIT and HEXAGON Histories
http://nro.gov/foia/declass/MOL.html