米航空宇宙局(NASA)は2015年10月23日、小惑星の欠片を月の近くまで運ぶ無人ミッション「ARRM」(Asteroid Redirect Robotic Mission)の実現方法を探るため、米国の企業に対して提案を呼びかけた。
現在NASAは、小惑星の一部を月軌道の周辺まで運び、そこに宇宙飛行士を送り込み、将来の有人火星探査に向けた予行練習を行うミッション「ARM」(Asteroid Redirect Mission)を計画している。
小惑星を運ぶ役目は無人の宇宙機が担うことになっているが、そのためには新しい技術開発が必要となる。NASAの要求では、持ち帰る小惑星の大きさは直径約6m、質量は20トン以上と想定されており、またエンジンには、50kWの出力をもつ太陽電池によって動く電気推進エンジンを使うことが必要とされている。さらに宇宙機と小惑星が、引力でお互いを引き合うことを使った軌道変更能力を実証することなども示されている。
打ち上げロケットにはNASAが開発中の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」の他、民間の商業ロケットも使えるという。
打ち上げ時期は2020年の終わりまでを目指すとしている。
■NASA Calls for American Industry Ideas on ARM Spacecraft Development | NASA
http://www.nasa.gov/press-release/nasa-calls-for-american-industry-ideas-on-arm-spacecraft-development