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小型の有翼宇宙往還機「ドリーム・チェイサー」を開発している米国のシエラ・ネヴァダ社は2015年10月7日、同機の開発状況について発表し、2016年初頭ごろに2度目となる滑空飛行試験をおこなうことを目指していること、また宇宙飛行をおこなう実機の製造も進んでいることを明らかにした。

ドリーム・チェイサーはシエラ・ネヴァダ社が開発を進めている有人宇宙船で、小さいながらも翼をもち、スペース・シャトルのように宇宙から滑走路に着陸することができ、何度も再使用することができる。打ち上げには米国のアトラスVロケットが使われ、ロケットの先端に搭載されて飛行する。また他のロケットへの搭載や、米国以外の滑走路への着陸なども可能とされる。

開発は2004年ごろから始まり、2013年10月26日には、無人のドリーム・チェイサーの技術試験機(Engineering Test Article, ETA)を使い、滑空飛行試験がおこなわれたが、左側の車輪が出ず、着陸に失敗している。ただ、試験内容の99%は達成できたとされ、試験全体としては成功と発表されている。

今回の発表では、これに続く2度目となる滑空飛行試験を、2016年の前半におこなうことが明らかにされた。場所はカリフォーニア州にあるNASAアームストロング飛行研究センターが予定されている。

またそれと並行し、実際に宇宙を飛行する実機の製造も進められているという。製造はロッキード・マーティン社が担当しており、同社内にある特別開発チーム「スカンク・ワークス」が培ってきた技術が活用されているという。

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同社はまた、無人補給船ヴァージョンのドリーム・チェイサーの開発もおこなっており、米航空宇宙局(NASA)が計画している商業補給サーヴィス(CRS)契約の第2弾の獲得を狙っている。

NASAは以前より、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を民間企業に担わせており、第1回契約(CRS-1)に基づいて、現在はスペースX社の「ドラゴン」と、オービタルATK社の「シグナス」が運用されている。現在のこの契約は2017~2018年ごろまでの予定となっており、一方ISSは2024年ごろまで運用される見通しであることから、新たに2回目の契約が結ばれることになっている。

この2回目の契約へは、スペースX社とオービタルATK社が引き続き名乗りを挙げているほか、ボーイング社とロッキード・マーティン社、そしてシエラ・ネヴァダ社も名乗りを挙げている。

この契約先の発表は今年11月に予定されており、今回シエラ・ネヴァダ社がドリーム・チェイサーの開発状況を発表したのには、契約獲得に向けてアピールする狙いがあると思われる。

●ドリーム・チェイサー

ドリーム・チェイサーは、かつてNASAが国際宇宙ステーションからの緊急帰還用として開発を進めていた「HL-20」という宇宙船を源流に持ち、それを米国の同社(当時はスペース・デヴ社)が2004年に買い取り、ドリーム・チェイサーと名を変えて開発を続けているという経緯をもっている。

同社がこの機体を引き取った当時、米国政府とNASAは国際宇宙ステーションへの物資や宇宙飛行士の輸送を、民間企業が開発した宇宙船に外注する方針を立てており、シエラ・ネヴァダ社はこれにドリーム・チェイサーを売り込んでいた。実際にNASAからの発注が行われるまでには、ラウンド形式でいくつかの審査があり、ドリーム・チェイサーはその最終候補まで残ったものの、最終的に破れている。

その後も同社は開発を継続し、現在はNASAが計画しているISSへの商業補給サーヴィス(CRS)契約の第2弾に、無人の補給船ヴァージョンの機体を提案し、契約獲得を目指している。またNASA以外の機関や企業への売り込みもおこなわれている。

■Sierra Nevada Corporation's Dream Chaser® Program ... | SNC | Sierra Nevada Corporation
http://www.sncorp.com/AboutUs/NewsDetails/1922

Image Credit: SNC

 

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