【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)


こちらは、『ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた「土星」』です。この画像は、アメリカ航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、STScIが2023年6月30日付で公開したものを、soraeでは2023年7月5日の記事内で紹介しています。

Source
  • Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, M. Tiscareno (SETI Institute), M. Hedman (University of Idaho), M. El Moutamid (Cornell University), M. Showalter (SETI Institute), L. Fletcher (University of Leicester), H. Hammel (AURA), J. DePasquale (STScI))
  • sorae - 明るい環が印象的 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた土星の姿
  • ESA/Webb - Saturn’s rings shine in Webb’s observations of ringed planet

 

この画像が一般的な土星の姿と異なっているのは、ハッブル宇宙望遠鏡のような可視光線波長ではなく、ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)による近赤外線波長(3.23μm)で捉えたデータをもとに作成されているからです。

土星の大気に含まれるメタンガスは太陽光のほぼすべてを吸収するため、観測に使用された波長では土星本体が非常に暗く見えます。一方、氷でできている環は比較的明るいままなので、このように「暗い本体に明るい環」という姿に写ります。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年6月に観測された土星(注釈付き)(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, M. Tiscareno (SETI Institute), M. Hedman (University of Idaho), M. El Moutamid (Cornell University), M. Showalter (SETI Institute), L. Fletcher (University of Leicester), H. Hammel (AURA), J. DePasquale (STScI))
【▲(クリックで拡大) ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で2023年6月に観測された土星(注釈付き)(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, M. Tiscareno (SETI Institute), M. Hedman (University of Idaho), M. El Moutamid (Cornell University), M. Showalter (SETI Institute), L. Fletcher (University of Leicester), H. Hammel (AURA), J. DePasquale (STScI))】

また、上の画像内に注記があるとおり、ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRCamはA環の外側にある細いF環も捉えています。さらに、長時間の露光を行うことで、F環の外側にある薄いG環や拡散したE環といった、より暗い環も調べることが可能になるようです。

なお、画像左側には、ディオネ、エンケラドゥス、テティスといった土星の衛星も確認することができます。

 

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編集/sorae編集部

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