(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、月の南極エイトケン盆地にある「ライダー・クレーター(Ryder Crater)」です。この画像は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」による観測データをもとに作成されました。
ライダー・クレーターは別のクレーターの上に形成されていると考えられています。この下地になったクレーターは直径約70km、縁から底までの高低差は3000m以上もあります。ライダー・クレーターを形成した天体は、この大きなクレーターを取り囲む縁の最高地点に衝突したとみられています。
急斜面に形成されたライダー・クレーターは縁の高さが方向によって異なり、最大で約1500mもの差が生じているようです。画像では左側よりも右側ほど標高が高くなっており、クレーターを2重に見せている崩落のような地形も、急斜面の影響を強く受けた結果かもしれません。
なお、ライダー・クレーターは月の裏側に位置するため、地球から直接観測することはできません。
参考:ライダークレーターの位置(Googleマップ ※PCのみ対応)
ルナー・リコネサンス・オービターについて
ルナー・リコネサンス・オービター(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)とは、NASAが運用する月探査衛星です。月の表面を高精度でマッピングし、将来の月探査ミッションに向けた着陸地点の選定や月の環境に関するデータを収集することを目的としています。
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編集/sorae編集部