
(引用元:ESA/Hubble)
今回紹介するのは、ESA/Hubbleから2005年10月31日付で公開された冥王星系に関する想像図です。当時発見されたばかりの「候補衛星」の一つの地表から、冥王星系を見上げた光景が描かれています。画像中央の右側に冥王星、そのすぐ隣にカロンが並んでいます。そして、画面左側の遠方で小さく光る点が、もう一つの衛星候補を表しています。

【関連リンク】今日の宇宙画像:NASAや各国宇宙機関が公開した魅力的な画像を毎日紹介
「第9惑星(当時)」に新たな衛星候補が見つかった
この想像図が制作された2005年当時、冥王星はまだ太陽系の「第9惑星」として扱われており、確認済みの衛星は1978年に発見されたカロンだけでした。
しかし2005年5月、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」が、冥王星のそばに2つの微かな天体を検出します。冥王星の約5000分の1という極めて暗い光を放つこの天体は、仮符号「S/2005 P 1」「S/2005 P 2」と名付けられ、冥王星から約4万4000km、カロンの2〜3倍遠い軌道を周回しているとみられていました。
その後、冥王星を取り巻く状況は大きく変化します。翌2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の定義が改められ、冥王星は「準惑星(dwarf planet)」へと再分類されました。一方、2つの候補衛星は正式に存在が確認され、ギリシャ神話にちなんでそれぞれ「ニクス」「ヒドラ」と命名されています。さらに、2011年には「ケルベロス」、2012年には「ステュクス」も発見され、現在の冥王星は合計5つの衛星を従える天体であることがわかっています。
そして2015年7月、NASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」が冥王星系のフライバイ(接近通過)観測に成功しました。この観測により、ニクスは長軸約42km、ヒドラは長軸約55kmの不規則な形をした小天体であることが判明しています。ハッブル宇宙望遠鏡の観測では光の点でしかなかった候補衛星が、10年の時を経てついにその実像を現したのです。

編集/sorae編集部
関連記事
参考文献・出典
- ESA/Hubble - An artist's view of the Pluto system
- HubbleSite - Hubble Reveals Possible New Moons Around Pluto
- IAU - Pluto and the Developing Landscape of Our Solar System
- NASA - 'Capturing' Nix and Hydra























