【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、チリのパラナル天文台にあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)が撮影した、イータカリーナ星雲の「破壊の柱(Pillars of Destruction)」です。
この画像は、可視光線の3つの波長で取得されたデータから作成された疑似カラー画像で、2016年11月2日にESOが公開しました。soraeでは2022年5月の記事内で紹介しています。
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破壊の柱は、南天の「りゅうこつ座」の方向約7500光年先に位置している散光星雲「イータカリーナ星雲」の一部、「R44」と呼ばれる星形成領域にあります。
柱や山のような形状を持つ巨大な雲は、主にガスや塵で構成されており、その高さは数光年にも及びます。この雲の中では新しい星が誕生していますが、形成された大質量星は大量の電離放射線を放ち、自らを生み出した雲を電離・散逸させて破壊し始めます。
研究者が観測データを分析したところ、柱の近くにある星からの電離放射線の量と、柱から散逸して失われた質量の間に明確な相関関係があることがわかりました。一方で、星から放射される電磁波や恒星風は、雲の中に高密度な部分を形成するのを助け、新たな星の形成につながる可能性もあるようです。
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編集/sorae編集部