(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、地上の望遠鏡で撮影した海王星です。この画像を撮影したのは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のパラナル天文台にある「超大型望遠鏡(VLT)」で、2018年7月18日に公開されたものです。
VLTは「補償光学(Adaptive Optics)」と呼ばれる技術を利用した撮影方法を可能としています。
補償光学では、明るい天体などを目安に大気のゆらぎを測定し、望遠鏡の鏡面をリアルタイムに変形させることで、観測中の天体を鮮明に捉えられるようにします。
VLTの場合、地球の上層大気にあるナトリウム層に向けて4本のレーザー光を照射して「レーザーガイド星」と呼ばれる人工の「星」を作り出し、これを目安にしてゆらぎの影響を打ち消しています。同様の手法は国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」をはじめ、さまざまな望遠鏡で利用されています。
この技術を用いることで、宇宙から天体を観測するハッブル宇宙望遠鏡にも匹敵する、海王星の鮮明な画像を撮影することができました。
超大型望遠鏡(VLT)とは
VLT(Very Large Telescope:超大型望遠鏡)とは、欧州南天天文台(ESO)がチリに設置した4台の大型光学望遠鏡の総称です。4つの鏡を組み合わせて高解像度の観測を行うことができ、天文学の最先端研究に大きく貢献しています。これにより、遠方の銀河やブラックホール、太陽系外惑星の観測が可能です。
関連記事
- 超大型望遠鏡VLTで撮影された木星の衛星「エウロパ」と「ガニメデ」(2022年10月)
- 砂漠惑星のように見える欧州超大型望遠鏡の建設現場(2022年7月)
- 直径39mの巨大な主鏡は何を見る? 建設進む「欧州超大型望遠鏡」(2020年3月)
編集/sorae編集部