
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
今回紹介するのは、おとめ座の方向に位置する銀河「M104」こと「ソンブレロ銀河(Sombrero Galaxy)」の画像をもとに、音に変換した動画です。
まず、ソンブレロ銀河について解説します。この銀河が「ソンブレロ銀河(Sombrero Galaxy)」と呼ばれるようになったのは、その形がメキシコの帽子「ソンブレロ」に似ているためです。一見すると渦巻銀河のように見えますが、近年の観測によって、内部に渦巻構造を持つ楕円銀河であることが判明しました。
- Image Credit: NASA/CXC/SAO/K.Arcand, SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida)
- sorae - 耳で聴く「ソンブレロ銀河」 観測データを使用した作品をNASAが公開
- Chandra X-ray Center - Cosmic Harmonies: Sonifications From NASA Telescopes
では、ソンブレロ銀河のような特徴的な銀河の画像を「音」に変換すると、どのように聞こえるのでしょうか?さっそく聞いてみましょう。
動画では、3つのソンブレロ銀河の画像が並んでいます。上から順に、「スピッツァー宇宙望遠鏡」「ハッブル宇宙望遠鏡」「チャンドラX線観測衛星」が撮影したものです。
まるで遠い宇宙からの信号のような、不思議な音色に感じませんでしたか?
このように、非言語音を利用して画像などの情報を伝える手法は「ソニフィケーション(可聴化)」と呼ばれています。ソンブレロ銀河のソニフィケーションでは、3つの宇宙望遠鏡による観測データに基づいて作られた「音」が、画像を上から下へスキャンするように再生されます。
動画を公開したNASAやチャンドラX線センターでは、ソンブレロ銀河のほかにも特徴的な天体の「ソニフィケーション」を行っており、それぞれの天体の特徴を「音」として表現しています。例えば、超新星残骸「カシオペヤ座A」や、あの美しい「バタフライ星雲」などもソニフィケーションの対象となっており、それぞれ異なるデータに基づいた独自の音響が作成されています。
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編集/sorae編集部