(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、『内部が結晶化した白色矮星の想像図』です。「白色矮星」は“宇宙最大のダイヤモンド”と例えられることがありますが、現在の宇宙に存在する白色矮星は全体がダイヤモンドのように結晶化しているわけではありません。
soraeでは、2023年6月23日に公開した記事「白色矮星「HD 190412 C」はダイヤモンドになりつつある? 結晶化の観測的証拠を初めて発見!」で冒頭の画像とともに、白色矮星「HD 190412 C」で結晶化が始まっている証拠が観測されたとする観測結果を紹介しています。
- Image Credit: Travis Metcalfe & Ruth Bazinet, Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics
- sorae - 白色矮星「HD 190412 C」はダイヤモンドになりつつある? 結晶化の観測的証拠を初めて発見!
- Pier-Emmanuel Tremblay, et al. “Core crystallization and pile-up in the cooling sequence of evolving white dwarfs”. (Nature)
以下は、本文から一部抜粋したものです。
白色矮星は、恒星の中心核だった頃の余熱のみを保持し、新たな熱が発生しない “死んだ星” であるため、宇宙空間に熱を放出して冷えていく一方の天体です。
温度が下がるに従って、白色矮星を構成する原子の配置は中心部から外側へと順に、ランダムな状態から整列した状態へと変化……つまり結晶化が発生すると考えられます。白色矮星が “ダイヤモンド” と表現されるのは、高温高圧の環境下で炭素原子の結晶が現れると考えられるからです
白色矮星全体が冷え切るには1000兆年もかかると言われています。私たちの宇宙はその0.001%程度の時間しか経過していないため、全体が結晶化してダイヤモンドになった白色矮星は、まだ私たちの宇宙には存在しません。しかし、現在の宇宙にも冷却が始まる初期段階の白色矮星は存在するため、一部で結晶化が始まっていてもおかしくありません。
詳細は元記事を参照してください。
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編集/sorae編集部 元記事・原文/彩恵りり