【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、『約7年間暗いままだった恒星と円盤を持つ伴星伴星』の想像図です。今回は、ワシントン大学の研究チームが2023年1月に発表した、や座の方向にある恒星「Gaia17bpp」の特異な減光現象について振り返ります。
Source
- Image Credit: Anastasios Tzanidakis
- sorae - 7年間も暗いままだった恒星の謎 塵の円盤を持つ伴星に隠されていた可能性
- University of Washington - The seven-year photobomb: Distant star’s dimming was likely a ‘dusty’ companion getting in the way, astronomers say
恒星「Gaia17bpp」は、2012年から2019年までの約7年間にわたり、最大で約63倍も暗くなりました。しかし、過去66年の観測記録を調べても、このような減光はこの1回のみでした。研究によると、この減光はGaia17bppを公転する伴星が原因であり、その伴星は塵を多く含む円盤に囲まれていて、その円盤が地球から見て恒星を隠す「食」を引き起こした可能性が指摘されています。
Gaia17bppは太陽の55倍の大きさを持つ赤色巨星で、その伴星は約1000年の周期で公転していると推測されています。伴星の円盤がGaia17bppの光を98%遮断し、予備データでは伴星が白色矮星である可能性も示されています。減光現象が再び観測されるのは何百年も先であり、再観測は現世代では難しいとされています。
参考:「ぎょしゃ座イプシロン星」
円盤を持つ伴星が減光の原因だと考えられている星といえば「ぎょしゃ座イプシロン星」が有名です。ぎょしゃ座イプシロン星の場合は減光の開始から終了まで約2年間ですが、Gaia17bppは約7年間と長いことが特徴的です。
編集/sorae編集部