(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「ジュノー」の可視光カメラ「JunoCam」で撮影された木星の衛星エウロパです。2022年9月29日に取得されたデータをもとに市民科学者のBjörn Jónssonさんが作成した強調カラー画像となっています。
今回は、2024年10月15日に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査機「エウロパ・クリッパー」にちなんで、土星に衛星エウロパについて、簡単に説明していきます。
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エウロパは、木星の代表的な4つの衛星「ガリレオ衛星」(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)の一つで、1610年に天文学者「ガリレオ・ガリレイ」によって発見されました。大きさは、直径約3100kmで、月よりやや小さめです。
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エウロパの地下には液体の水がある?
エウロパの最大の特徴は「表面が厚い氷で覆われており、その下に液体の水の海が存在する可能性がある」ことです。また、エウロパの表面は、クレーターが少なく、複雑な模様や亀裂が見られます。これは氷の表面が地質活動によって新しく更新されている証拠とされています。
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地球外生命が期待されているエウロパ
また、エウロパは、地球外生命が存在する(または存在した)可能性が指摘される天体の一つとして注目されています。内部海には、生命が存在するために必要な液体の水とエネルギー源が揃っている可能性があるためです。
冒頭で触れたエウロパ・クリッパーの機体には、カメラの他に分光計・レーダー・磁力計など9つの科学機器が搭載されており、氷の外殻の下に存在すると予想されている内部海の特性、表面・氷・内部海の相互作用、内部海の生命居住可能性などを探ります。
なお、エウロパ・クリッパーは2026年1月に地球でスイングバイを行った後、2030年4月に木星に到着する予定です。探査によるエウロパの謎解明はもう少し先になりますが、今から楽しみですね!
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編集/sorae編集部