(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
- Image Credit: NRAO/S. Dagnello
- sorae - 太陽フレアよりも100倍強力なフレアがプロキシマ・ケンタウリで起きていた
こちらは、soraeが2021年4月23日の記事内で紹介した『プロキシマ・ケンタウリで起きた強力なフレアを描いた想像図』です。
研究グループは、太陽に一番近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」において、太陽フレアよりも約100倍強力なものを含む複数のフレアが検出されたことを2021年当時に、発表しました。プロキシマ・ケンタウリではこれまでに2つの太陽系外惑星が報告されています(※)が、研究グループによると、これらの惑星は日常的にフレアにさらされている可能性があるようです。
※この発表後に、第3の惑星候補「プロキシマ・ケンタウリc」が発見されたとの報告がありましたが、不明確のため当時の情報のまま「2つ」と記載しています。
研究グループは赤色矮星のフレアをより深く理解するべく、「ハッブル」宇宙望遠鏡や「アルマ望遠鏡」といった地上と宇宙の9つの望遠鏡を使い、2019年にプロキシマ・ケンタウリを合計40時間観測。その結果、プロキシマ・ケンタウリで発生した複数のフレアを検出したとされています。
特に注目されたのは、2019年5月1日に5つの望遠鏡で検出された7秒間のフレアでした。研究グループによると、このフレアでは可視光線はそれほど放出されなかったものの、紫外線とミリ波(波長1~10mmの電波)では非常に明るくなり、紫外線の強さは数秒間でおよそ1万4000倍に達したといいます。
研究に参加したアリゾナ州立大学のParke Loyd氏は、フレアの紫外線を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の観測データを見た時のことを「注目すべき現象を捉えたことがすぐにわかりました」と振り返ります。冒頭でも触れたように、このフレアは太陽で起こる同様のフレアと比べて約100倍強く、プロキシマ・ケンタウリで検出された最大規模のフレアとされています。
MacGrego氏によると、プロキシマ・ケンタウリを周回する惑星は少なくとも1日あたり1回はフレアにさらされている可能性があるようです。
(元記事より引用)
文/sorae編集部