
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
- Image Credit: NASA/Ames/JPL-Caltech/T. Pyle
- sorae - 太陽系外惑星「HD 63433 d」の暮れない昼は1200℃以上の灼熱の世界か
こちらは、soraeが2024年1月16日の記事内で紹介した『2つの太陽系外惑星が見つかっている「ケプラー10」星系のイメージ図』です。元記事では、ケプラー10星系と似た、HD 63433星系について解説しています。
恒星HD 63433には、これまでに「HD 63433 b」と「HD 63433 c」と名付けられた系外惑星が見つかっていました。2024年1月に、新たに「HD 63433 d」が見つかったことが発表されました。
HD 63433 dは地球に近いサイズの系外惑星です。主星(HD 63433)の近くを公転しているため、公転と自転の周期が同期した「潮汐ロック」状態にあり、昼側と夜側が固定されています。昼側の温度は摂氏約1200度に達していると考えられていることから、惑星の半球だけが溶岩に覆われている可能性があるということです。
※冒頭の画像にある、恒星「ケプラー10」の中の右側にある黒い点は、系外惑星「ケプラー10b」を表しています。「HD 63433 d」は、「ケプラー10 b」と同様に恒星のすぐ近くを公転しているとみられています。
研究チームによると、HD 63433 dの直径は地球の約1.073倍……つまり地球とほぼ同じサイズで、主星のHD 63433から約0.0503天文単位(※)離れた軌道を約4.209日周期で公転しています。また、主星のすぐ近くを公転していることから、HD 63433 dは主星の潮汐力によって公転と自転の周期が同期した「潮汐ロック(潮汐固定)」の状態になっていると考えられています。なお、研究チームはアメリカ航空宇宙局(NASA)の系外惑星探査衛星「TESS(テス)」の観測データからHD 63433 dを発見しました。
※…1天文単位(au)は約1億5000万km、太陽から地球までの平均距離に由来。0.0503天文単位は約755万km、太陽から水星までの平均距離の約0.13倍。
太陽系から100光年と離れていない地球サイズの系外惑星となれば、どうしても気になるのが生命の居住可能性です。しかし、主星までの距離からすでにピンときている人もいるかと思いますが、潮汐ロックの下で暮れない昼が続くHD 63433 dの昼側は表面温度が約1257℃にまで達すると推定されており、溶岩に覆われた半球になっている可能性もあるようです。
(元記事より引用)