【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA ジェット推進研究所(JPL))

Source
  • Image Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona/LPG/CNRS/University of Nantes/Space Science Institute
  • NASA JPL - Enceladus in the Infrared

 

こちらは、NASAのジェット推進研究所(JPL)が2020年9月18日に公開した『土星の衛星エンケラドゥスの赤外線全球画像』です。土星探査機カッシーニの「可視・赤外マッピング分光光度計(VIMS:Visible and Infrared Mapping Spectrometer)」による観測データをもとに作成された疑似カラー画像となっています。

画像は上段左がエンケラドゥスの進行方向の半球、上段中央が土星に面している半球、上段右が進行方向とは反対側の半球を示しています。地球の月と同じように、エンケラドゥスは常に同じ面を土星に向けながら公転しているため、進行方向やその反対側にもいつも同じ面が向いています。下段は左が北半球、右が南半球です。

エンケラドゥスの南極周辺には「タイガーストライプ」と呼ばれる氷の地殻に平行に生じた亀裂が存在しており、地下の海からの水蒸気や氷の粒が噴出しているとみられています。下段右(南半球)の画像を見ると、タイガーストライプ周辺の表面が新しい氷に覆われていることを意味する赤色で示されていることがわかります。

soraeでは、地球外生命が存在する可能性があるエンケラドゥスについての様々な研究結果を紹介しています。以下の関連記事もどうぞ。

 

用語解説

【カッシーニ(Cassini)】
カッシーニは、NASAの土星探査機です。1997年に打ち上げられて2004年に土星へ到着したカッシーニは13年間観測を続けた後に、水の噴出が確認されたことで生命存在の可能性が浮上したエンケラドゥスや土星の別の衛星タイタンに落下するリスクを避けるため、2017年9月に土星の大気圏へ突入してミッションを終えています。

 

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