アルテミス計画 ロゴ

2022年11月16日に打ち上げが実施された「アルテミス1(Artemis1)」は、新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」と新型宇宙船「オリオン」の無人飛行試験を目的とした、有人月面探査計画「アルテミス」最初のミッションです。

無人のオリオン宇宙船は月周辺を飛行した後、12月12日に地球へ帰還する予定となっています。

 

  • 【2023年1月13日 更新】
    帰還後はケネディ宇宙センターで検査中(NASA)

 

  • 【2022年12月12日 更新】
    新型宇宙船「Orion」地球帰還(NASA)

 

  • 【2022年12月11日 更新】
    新型宇宙船「Orion」まもなく地球帰還(NASA)

 

  • 【2022年12月6日 更新】
    新型宇宙船「Orion」が地球帰還のための軌道修正を実施(NASA)

 

  • 【2022年12月2日 更新】
    新型宇宙船「Orion」が予定通り月周回軌道を離れる(NASA)

 

  • 【2022年11月30日 更新】
    新型宇宙船「Orion」が、有人飛行用に設計された宇宙船による地球からの最遠距離記録を更新(NASA)

 

  • 【2022年11月29日 更新】
    小型探査機「EQUULEUS」の初期運用フェーズが終了(JAXA)

 

  • 【2022年11月26日 更新】
    無人飛行試験中の新型宇宙船「Orion」を月周回軌道へ投入することに成功(NASA)

 

  • 【2022年11月24日 更新】
    新型宇宙船「Orion」のカメラで月と地球を撮影(NASA)

 

  • 【2022年11月22日 更新】
    日本の無人探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」による月面着陸の実施を断念(JAXA)

 

  • 【2022年11月21日 更新】
    新型宇宙船「Orion」のセルフィー画像を公開(NASA)

 

  • 【2022年11月17日 更新】
    新型ロケット「SLS」は初飛行に成功。有人宇宙船「Orion」は月へ(NASA)

 

  • 【2022年11月16日 更新】
    新型ロケット「SLS」初号機の打ち上げを実施(NASA)

 

    ■アルテミス1 ミッション情報

    「アルテミス1(Artemis1)」は、有人月面探査計画「アルテミス」最初のミッションであり、SLSとオリオンの無人飛行試験にあたります。アルテミス1は2025年に予定されている53年ぶりの有人月面探査ミッション「アルテミス3」に向けた重要なステップであり、その最初の段階にあたる打ち上げと月遷移軌道投入は無事成功したことになります。

    無人のオリオンは月周辺を飛行した後、12月11日に地球へ帰還する予定です。

     

    ■打ち上げロケット情報

    SLS(スペース・ローンチ・システム)ブロック1

    【▲ ケネディ宇宙センター39B射点に到着したSLS初号機。米国東部夏時間2022年8月17日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

    【▲ ケネディ宇宙センター39B射点に到着したSLS初号機。米国東部夏時間2022年8月17日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

    新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」は、NASAが推進する有人月面探査計画「アルテミス」などで用いるべく開発された大型ロケットで、高さは98m(上段にICPSを用いる「ブロック1」構成)に達します。

    中核となるのは高さ65m・直径8.4mのコアステージで、高さはNASAのロケットステージとしては過去最大。コアステージには2011年に退役したスペースシャトルに搭載されていた「SSME」の改良版である「RS-25」エンジンが4基搭載されています。

     

    ■アルテミス1 ペイロード

    アルテミス1ミッションでは、有人宇宙船「オリオン」と、日本の「OMOTENASHI(オモテナシ)」や「EQUULEUS(エクレウス)」など10機の小型探査機が打ち上げられました。

     

    新型有人宇宙船「Orion(オリオン・オライオン)」

    オリオン宇宙船の想像図(Credit: NASA)

    【▲オリオン宇宙船の想像図(Credit: NASA)】

    オリオンはNASAにとってスペースシャトル以来の有人宇宙船として開発された宇宙船です。

    4名の宇宙飛行士が搭乗するオリオン宇宙船のクルーモジュールは、有翼型で広いペイロードベイ(貨物室)も備えていたスペースシャトルとは異なり、アポロ宇宙船やスペースXの「クルードラゴン」のようなカプセル型が採用されています。

     

    水を推進剤にラグランジュ点「L2」を目指す「EQUULEUS」

    【▲ SLS初号機で打ち上げられる小型探査機「EQUULEUS(エクレウス)」(Credit: JAXA)】

    【▲ 小型探査機「EQUULEUS(エクレウス)」(Credit: JAXA)】

    EQUULEUS(※)は東京大学を中心に、JAXAや日本大学なども協働して開発された探査機です。重量はOMOTENASHIよりもさらに軽い10.5kgですが、地球と月のラグランジュ点のひとつ「L2」(地球からの距離約45万km)まで飛行する計画です。JAXAによると、EQUULEUSは小型の深宇宙探査機としては世界で初めて、地球および月周辺の複雑な重力環境における軌道制御技術の実証を行うことを目標としています。

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    ※…「EQUilibriUm Lunar-Earth point 6U Spacecraft」の略、「こうま座(Equuleus)」にちなむ。

    地球と月のL2へ向かうEQUULEUSには、気化させたを推進剤として利用する水レジストジェット「AQUARIUS(アクエリアス)」がエンジンとして搭載されています。EQUULEUSは太陽や月の重力を利用しつつ、複数回の月スイングバイを行うことで、推進剤を節約して効率的にL2まで飛行できるといいます。

    また、EQUULEUSには「DELPHINUS(デルフィヌス)」「PHOENIX(フェニックス)」「CLOTH(クロス)」という3つの科学機器が搭載されています。1つ目のDELPHINUSは2台のカメラで構成されていて、月面に隕石が衝突した時に観測される月面衝突閃光を宇宙から観測することが目的です。DELPHINUSで得られた衝突の頻度や影響に関するデータは、有人月面活動のリスク評価に役立てられます。

    2つ目のPHOENIXは地球のプラズマ圏の観測を目的としており、地球周辺のヘリウムイオンを極端紫外線の波長で撮像します。3つ目のCLOTHは宇宙塵(ダスト)の検出装置で、EQUULEUSの外層2か所に衝突した塵を検出します。

     

    月面へのセミハードランディングを行う「OMOTENASHI」

    【▲ SLS初号機で打ち上げられる小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」(Credit: JAXA)】

    【▲小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」(Credit: JAXA)】

    OMOTENASHI(※)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究者を中心に開発された月着陸機です。重量はわずか12.6kgで、JAXAによれば世界最小の月着陸機とされています。

    機体は月へ飛行するための「オービティングモジュール」(OM、軌道モジュール)、月面へ着陸する「サーフェスプローブ」(SP、月面探査機)、着陸時に月面探査機を減速させる「ロケットモーター」(RM)という3つのモジュールで構成されています。

    ※…「Outstanding Moon exploration TEchnologies demonstrated by NAno Semi-Hard Impactor」の略

    月には大気がほぼ存在しないため、従来の月着陸機は推力を調整できる液体燃料ロケットエンジンで速度を落としつつ着陸脚を使って月面へソフトに降り立つ、いわゆる「ソフトランディング」を行ってきました。ソフトランディングにはそのためのエンジンや推進剤が必要なので、必然的に探査機のサイズはある程度大きくなります。

    超小型衛星サイズのOMOTENASHIでは、従来のような大型の推進システムに頼らない月着陸が試みられる予定でした。SLSから分離されたOMOTENASHIは、オービティングモジュールに搭載されているスラスターを使って月へ衝突する軌道に乗ります。衝突が迫るとロケットモーターが点火され、オービティングモジュールからサーフェスプローブが分離します。減速したサーフェスプローブはロケットモーターを下にした姿勢で着陸し、月面に到達する、という流れです。

    ソフトランディングに比べればハードな着陸になるものの、ロケットモーターによる減速が行われることから、この方法は「セミハードランディング」と呼ばれています。OMOTENASHIのミッションでは、セミハードランディングを月面で実証することが目的でした。

    OMOTENASHIのサーフェスプローブには3Dプリンターで製造された衝撃吸収材が取り付けられている他に、減速に使われたロケットモーターも衝撃を緩和する役割を果たします。なお、初期の計画ではエアバッグを膨張させることも予定されていましたが、ロケットモーターを必ず下にして着陸することからエアバッグは膨張させずに、展開式のアンテナとして利用することになったといいます。

    なお、OMOTENASHI唯一の科学機器として、宇宙放射線を計測するための超小型線量計「D-Space」がオービティングモジュールに搭載されています。D-Spaceは千代田テクノルの積算線量計「D-シャトル」を今回のミッション用に改修したもので、約1週間のミッション中に1分毎の被ばく線量を計測します。JAXAによると、地磁気圏外・月遷移軌道における宇宙放射線環境の計測が行われるのは日本としては初めてで、計測データは将来の有人月面探査や宇宙旅行などで役立てられることが期待されています。

    JAXAは2022年11月22日、日本の無人探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」による月面着陸の実施を断念したと発表しました。

     

     

    ■過去の情報

     

    Source

    • Image Credit: NASA, JAXA
    • NASA - Artemis I

    文/sorae編集部

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