この飛び方は、ちょっと見たことがありません。ドローンといえば垂直に飛び立ち着陸する「VTOL」は当たり前ですが、現在シンガポールにて開発されているドローン「U-Lion」は飛行機型でVTOLが可能な変わり種です。
航空機のVTOLではエンジン出力を偏向させて垂直に飛び立ちますが、プロペラで飛び立つU-Lionはまるでミサイルのように、機体を垂直に地面に立てて飛び立ちます。そして飛び立った後は、水平姿勢に移行して効率よく飛行できるのです。
このドローンを開発したのは、シンガポール国立大学のB.M. Chen教授のもとで研究を進めている博士課程のWang Kangli氏とKe Yijie氏。機体にはGPSが搭載されており、自動飛行が可能です。また2重反転プロペラとモーター2つだけを搭載する、かなりシンプルな構造になっています。さらにモーターはギンバルに接続されており、向きを変えることで姿勢制御を行っているのです。
また浮上時は主翼を折りたたんだり、飛行状態によって主翼の角度を変えるなど高度な飛行性能を達成。これにより通常ドローンよりも長時間飛行を、そして固定翼型ドローンよりも自由な機動を実現しています。
まだU-Lionは研究段階ですが、民間用だけでなく軍事用としても、この技術は大きな可能性を秘めているのかもしれません。
Image Credit: Science China Press
■Prototype drone takes VTOL tech to new heights
http://newatlas.com/u-lion-vtol-drone/48643/