空をふわふわと漂うドローン。私たちはそのドローンが操縦者によってきちんと管理されていることを期待しますが、なんと一部のドローンが飛行中にハイジャックされる可能性があることが海外の研究者によって報告されています。
IBMに所属するNils Rodday氏によると、ドローンの遠隔通信システムの脆弱性を利用することによりドローンを他人がコントロールしたり通信不能にしたりできるとのこと。さらに、この脆弱性は全てのドローンにありうるというのだから驚きです。空飛ぶドローンが操作不能におちいるだけでも非常に危険なのに、それが他人によって操作されたら…何が起きるのかは考えたくもありません。
Rodday氏によると、ドローンとコントローラーの通信に利用されるプロトコルは高速通信のためにセキュアでないことが時としてあり、そこが脆弱性になるそうです。またドローンによるハイジャックを防ぐ方法はすでにいくつかあるのですが、その実装にはドローンの無線通信プロトコルを書き換えたり、ハードウェアを追加する必要があります。
ドローンが一般化するに伴い、その脆弱性を探る研究はさまざまな機関によって行なわれています。また、すでに市場にはドローンと操縦者の間の通信を邪魔して、ドローンの動作を停止させる製品も発表されています。そのような製品を今後どのようなルールで運用するのか、そしてなによりも、どうやってドローンのセキュリティを向上させるのか…。大きな可能性があるドローンだからこそ、さまざまな議論を呼びそうです。
Image Credit: gizmag
■There's a new way to hijack drones in mid-flight
http://www.theverge.com/2016/3/2/11145904/drone-hijack-nils-rodday-security
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