宇宙、それは最後のフロンティア…

誰もが知るスター・トレックの感銘深いオープニングメッセージだ。

宇宙開発は、民間企業の参加により再び活性化し、宇宙ビジネスも立ち上がり始めた。一旦は、遠ざかったかに思えたスター・トレックの世界は再び動き出し、我々に近づきつつある。

近づきつつある宇宙時代に、スマートフォンは適応していけるのだろうか?
そんな荒唐無稽な考察を紐解いてみたい。

現在のスマートフォンは、大画面+タッチ操作というベクトルで進化を続けている。しかし現在のスマートフォンは、すでに20年も前に考案され実現されている。

「ディスプレイ(板上の表示装置)」+「手持ち保持」+「タッチ操作」

この構造のままである。

スマートフォンは登場から約20年を経て完成期を迎えたとはいえ、今となっては極めて旧態依然とした形態と操作系であることは否めない。

当然、このままのベクトルで宇宙時代に適応するとは到底思えない。もちろん現在のスマートフォンにも宇宙時代に適応するための新しい芽は登場しはじめている。

その1つが、先ごろ日本での発売が発表された「Palm Pilot」と、音声アシスタントが搭載されて人気のスマートスピーカーだ。

Palm Pilot」は、手の平に収まる超小型のスマートフォン。Palm Pilotといえば、今から23年前の1996年に登場したPalm OSを搭載するPDAだ。今回販売されるのは、PDAPalm Pilotとは異なり、Android OSを搭載した超小型のスマートフォンである。

PDAPersonal Digital AssistantPalmは、PCコンパニオンとして、パソコンデータと同期し、パソコンの住所禄やスケジュール、データファイルなどを持ち出して利用できる子機的なデバイス。

プラススタイルが日本発売した「Palm Phone」

復活したAndroid OSを搭載する「Palm Phone」は、手の中に収まる小型デバイスだ。

スマートフォンとして単独で通信ができるが、小型筐体ゆえに搭載バッテリーは小さく、長時間の利用ができるわけでない。このため、メインのスマートフォンのサブ端末や通話端末として身に纏うような使い方が想定されており、Palm OSを搭載したPDA時代と似通った使い方とも言える。

ある意味、現在の大画面で大型化するスマートフォンの対極に位置するガジェットと言える

実は、この現在のスマートフォンとは真逆な、子機的な利用、身体にも装着可能な利用こそが、次世代のキーポイントになる。

そもそもスマートフォンでもっとも重要なのは、ハードウェアではない。個人を認証する情報であり、個人に帰属するデータである。こうした個人を認証する情報を1つのハードウェアに保存し、利用することは、盗難や紛失などの面からも非常にリスクが大きい。

それだけでなく、1つハードウェアが無ければ個人情報を利用できないようでは、活動範囲、活動時間を大きく制限されてしまう。

本人認証と個人情報を、安全かつ広範囲で時間制限なく利用するには、常に身に纏い紛失を防ぐか、個人情報を常にネットワーク上で分散保有し、移動先や移動中などいかなる場所の機器からでも利用できることが望ましいことになる。

その意味でも、本人認証や個人情報を複数のデバイスにまたがり並列利用できる概念と環境への移行が重要となるだろう。

もう1つが、スマートスピーカーなどに搭載されている音声アシスタントだ。

Amazonが展開するスマートスピーカー「Amazon Echo」

特定のデバイスやハードに依存しない近未来の環境では、様々な機器は並列化され共用される。こうした環境では、利用する機器は必ずしも現在のスマートフォンなどのガジェット形態とは限らない。

例えば、冷蔵庫や洗濯機など家電製品、設置されている情報端末、衣類などである場合もあるだろう。こうした多様な機器や環境で自分の個人情報にアクセスする場合、現在のスマートフォンのようなタッチ操作を維持するのは難しい。

そもそもスマートフォンと同じタッチ操作を全ての機器や設備に搭載するのは、コスト面からみても不可能であり、機能面からみても不自由極まりないことは、現在のATMの高コストと非効率さからみても明らかだ。

となれば、タッチ操作ではなく、音声による操作のほうが、はるかに汎用性と互換性、低コストで実現できる。音声による操作であれば、老若男女、使う人を選ばずに同じUIで操作できるからだ。しかも、省スペースなため、より多くの機器での導入が可能となる。さらにリアルタイム翻訳を活用すれば、言語の違いという問題も解消できる。

 

今、宇宙は人類のフロンティアとして、再び我々の身近なものなろうとしている。手の中にあるガジェットという世界も、再び、新しい世界への変革に向かう時期に来ているのだ。

次回は、もう1つの宇宙時代のガジェット変革について、考察したい。

 

Image Credit:プラススタイル / amazon
文/庄司恒雄