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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年11月4日、現在国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している油井亀美也宇宙飛行士ら第44/45次長期滞在員の期間日が、12月前半へ前倒しされる可能性が出てきたと発表した。

油井宇宙飛行士らは当初、12月22日に「ソユーズTMA-17M」宇宙船に搭乗し、地球に帰還することになっていた。

●いつごろの帰還になるのか

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JAXAによると、帰還目標日については今後、日本を始めとする参加各国で調整を進め、改めて発表するとしている。

なお、ロシアのタス通信などでは、新しい帰還目標日について「12月11日」と報道されているが、JAXAによると、まだ正式に決まったわけではなく承知はしていないという。

●なぜ前倒しになる可能性が生じたのか

JAXAによると、前倒しの可能性があるという話は、参加各国間の調整の中で出てきたもので、その理由については把握していないという。また、たとえば宇宙船に技術的な問題が発生したり、あるいは油井飛行士らの健康に問題が発生したなどといったことも起きていないため、理由の心当たりもないとしている。

ただ、タス通信は10月27日に、ロシアの新型補給船「プログレスMS」の打ち上げが、追加の試験が必要になったことから、当初予定されていた11月21日から12月21日へと延期されたと報じている。

もしプログレスMSが12月21日に打ち上げられた場合、ISSとのドッキングは12月23日となり、これは油井飛行士らの当初の帰還目標日の翌日に当たる。そのため、このままではISSでの作業が非常に忙しくなり、宇宙飛行士や地上の運用チームへの負担が大きくなることが予測される。

また今後、11月から12月にかけては、「プログレスM-29M」補給船のISSからの分離や、新しい宇宙飛行士を乗せた「ソユーズTMA-19M」宇宙船の打ち上げが予定されているが、プログレスMSの打ち上げが延期されたことで、それらの予定も影響を受けるものと考えられる。これら宇宙船の運用のやりくりの都合上、油井飛行士らの乗るソユーズTMA-17Mの帰還を12月前半に前倒しせざるを得なくなった、ということは考えられよう。

●今後への影響は

前倒しで帰還することになれば、油井飛行士が実施する予定だった実験などができなくなる可能性もある。ただその場合でも、実験の手順などは他の宇宙飛行士も訓練を受けているため、油井飛行士の手によるものではなくなるものの、実験そのものは引き続き、予定通り実施できる体制ができているとのことである。

Image Credit: NASA

■油井宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の帰還目標日ついて – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター – JAXA
http://iss.jaxa.jp/topics/2015/11/151030_yui.html

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