水の波紋のような構造を持つ原始惑星状星雲

青い疑似カラーで表示されているのは「CRL2688」としても知られる「卵星雲(Egg Nebula)」の姿です。はくちょう座の方向約3000光年先にあるこの天体は、全天でも珍しい惑星状星雲の一つ手前の原始惑星状星雲です。

卵星雲の中心は深い霧に包まれており、両極に放出されたジェットにより中心以外の星雲全体を眩しく輝かせています。水の波紋のような構造は、中心星から一定の間隔で放出された外層によるもの。この構造は、玉ねぎを輪切りにした様な構造をしています。

2012年にも広視野カメラ「WFC3」複数波長で捉えた「卵星雲は公開されていますが、こちらの画像は遡ること十数年、1996年に広域惑星カメラ「WFPC2」の可視光R波長で撮影したもの。同じ天体でも波長や疑似カラーによって全く違う顔を見せてくれますね。

 

Image Credit:Raghvendra Sahai and John Trauger (JPL), the WFPC2 science team, and NASA/ESA
■The Egg Nebula
https://www.spacetelescope.org/images/opo9603a/