アメリカ航空宇宙局(NASA)は4月11日、カッシーニ土星探査機の複合赤外線分析計(CIRS)の観測によって、土星最大の衛星タイタンの南極で氷雲を検出し、タイタンの南極に秋が訪れていることを発表した。
カッシーニ土星探査機が2004年に土星に到着した時、タイタンの北極から極冠を観測したことから、北側が冬を示していた。その後の観測で、2009年8月頃から季節の移り変わりがあり、北側は春に、南側は冬に向かったと思われた。そして、昨年7月に南極に大気の渦が初めて観測され、南側が冬に向かっていることが確認された。
昨年7月の時点で、タイタンの南極では氷雲はまだ確認されていなかったが、最近の赤外線観測では氷雲が出現した。氷雲を構成しているのはメタンやエタンだと考えられているが、詳細は分かっていない。科学者らは「南極は確実に冬に向かっており、氷雲はタイタンの大気循環が逆転した重要な証拠である」と述べている。
なお、この画像は昨年7月25日、タイタンから約10万km離れた距離で撮影されたもので、南極に大気の渦が確認できる。
■Ice Cloud Heralds Fall at Titan's South Pole
http://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/whycassini/cassini20130411.html