アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は3月5日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された、ゲーム「スペースインベーダー」に登場するエイリアンに似たような銀河の画像を公開した。

この銀河は銀河団「アベル68」の背後に位置している渦巻銀河で、スペースインベーダーのように見えるのは、「アベル68」による「重力レンズ効果」で引き延ばされたためである。「アベル68」は地球から約20億光年離れており、この渦巻銀河はさらに遠方にあるという。

アインシュタインの一般相対性理論によると、強い重力源によって曲げられた時空を光が通った時、歪みに沿って光が通るため、曲がって見える現象が発生する。この現象が重力レンズ効果である。重力レンズ効果によって、1つの天体が複数の像に見えたり、天体の元の像が伸ばされ、全然違う形に見えたり、これまで様々な現象が確認されている。現在では、重力レンズ効果を利用して太陽系外惑星の探索も行われている。

この画像はハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)の赤外線によって撮影されたもので、調査するためにハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)のデータも合成している。

 

■Gravitational Lens Creates Cartoon of Space Invader
http://www.nasa.gov/mission_pages/hubble/science/abell68.html