こちらは「しし座(獅子座)」の方向約3500万光年先の銀河「NGC 3384」です。全体的にぼんやりとした輝きを放つNGC 3384には古い星が多く、若い星を生み出す星形成活動が最近起きたことを示す兆候はほとんど見られないといいます。
一見すると渦巻腕(渦状腕)を持たない楕円銀河のような形態(※)をしているNGC 3384ですが、アメリカ航空宇宙局(NASA)によればその中心部分には多くの渦巻銀河が持つような棒状構造がみられるといいます。棒状構造は銀河の中心核やその周辺に物質を運び込むことで、中心部分での活動を支える役割を果たしているのではないかと考えられています。
※…ストラスブール天文データセンターのデータベース「SIMBAD」では、NGC 3384は楕円銀河よりも扁平だが渦巻腕は持たないレンズ状銀河(サブタイプのSAB0)に分類されています。
この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されたもので、NASAが2024年1月26日付で紹介しています。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 3384の観測は、小質量X線連星の形成と恒星の年齢の関係を調査する研究の一環として2012年4月に実施されました。
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文/sorae編集部