この画像には多くの星や星雲が写っています。何か知っているものはあるでしょうか?
星雲とは、宇宙でガスや小さな粒のような物質が集まって雲のように見える天体です。星雲には明るく輝くものや、光を吸収して暗く見えるものがあります。また、星が爆発を起こした後に残った雲のように見える天体を指すこともあります。
以下に、この画像に写っている星・星雲の一部を挙げてみました(かっこの中は英語での呼び名です)。おおよそ左下から右上の順に、
- わし星雲(Seagull Nebula)
- バーナードループ(Barnard’s Loop)
- ばら星雲(Rosette Nebula)
- コーン星雲(Cone Nebula)
- リゲル(Rigel)
- オリオン大星雲(Orion Nebula)
- 馬頭(ばとう)星雲(Horsehead Nebula)
- モンキー(またはモンキーヘッド)星雲(Monkeyhead Nebula)
- くらげ星雲(Jellyfish Nebula)
- アルデバラン(Aldebaran)
- スパゲティ星雲(Simeis 147)
- おたまじゃくし星雲(Tadpole Nebula)
- まが玉星雲(Flaming Star Nebula)
- プレアデス星団(Pleiades)
- カリフォルニア星雲(California Nebula)
となります。最初の画像にこれらを含む天体の名前を重ねたものが、次の画像です。
この画像を撮影したAlistair Symonさんは、アメリカのアリゾナ州で800時間以上をかけて28枚の画像を撮影し、それらを組み合わせてこの大きな画像を作ったそうです。一部の星雲のように肉眼では見えない天体を撮影する場合は時間をかけて天体の光を集めたり、あるいは短い時間で撮影した画像を何枚も重ねたりすることがあり、時間がかかるようです。1つ1つの天体の画像はよく目にしますが、この大きな画像を見ると空の一部を切り取っただけでも多くの星や星雲があることがわかります。
Symonさんによると、画像では星が明るく見えすぎないようにしているそうですが、日本で主に冬に見られる有名な星座、オリオン座やおうし座も写っています。「リゲル」はオリオン座の星、「アルデバラン」はおうし座の星で、どちらもとても明るく見える「1等星」です。画像中央より少し下、オリオン大星雲の上に斜めに3つ並んだ星があり、これを目印にするとオリオン座を見つけることができます。アルデバランは牛の目のところにある星で、画像ではオリオン座の右上のほうにおうし座があります。
SymonさんのWebサイトには他にも天体写真があります。ぜひチェックしてみてください。
Source
- NASA - Deep Nebulas: From Seagull to California
- Colors of the Cosmos(Alistair SymonさんのWebサイト)
文/北越康敬