こちらは「うさぎ座(兎座)」の方向約1億3000万光年先の渦巻銀河「IC 438」です。明るい中心部分やそこから広がっていく青い渦巻腕(渦状腕)の様子が詳細に捉えられています。針状の光を伴う中央右上の明るい天体は天の川銀河の恒星(約4600光年先)なのですが、渦巻腕の1本がまるでこの星を包み込もうとしているかのように伸びているのが印象的です。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された渦巻銀河「IC 438」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz))】
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された渦巻銀河「IC 438」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. J. Foley (UC Santa Cruz))】

欧州宇宙機関(ESA)によると、IC 438では2017年8月に超新星「SN 2017gbb」が見つかりました。SN 2017gbbは白色矮星を含む連星で発生するとされる「Iax型超新星」だったとみられています。Iax型は同じく白色矮星を含む連星で発生する「Ia型超新星(※)」よりも少し暗い(弱い)タイプの超新星です。

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※…連星を成す恒星から白色矮星へとガスが降り積もり、白色矮星の質量が太陽の約1.4倍(チャンドラセカール限界)に達した時に発生するとされる超新星爆発。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得したデータをもとに作成されました、ESAによると、ハッブル宇宙望遠鏡によるIC 438の観測は超新星爆発の余波を調査する研究の一環として2021年3月に実施されたということです。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2024年1月22日付で公開されています。

 

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文/sorae編集部

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