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こちらは「いっかくじゅう座」の方向約1万5000光年先にある輝線星雲「Sh2-284(シャープレス284)」です。画像の横方向の範囲は満月の見かけの直径の1.5倍程度に相当します(視野は45.0×45.0分角)。ヨーロッパ南天天文台(ESO)によると、画像で明るく写っている部分は直径150光年に渡って広がっているといいます。

【▲ VLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された星雲「Sh2-284」(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU)】
【▲ VLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された星雲「Sh2-284」(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU)】

Sh2-284は若い大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが光を放つHII(エイチツー)領域でもあります。水素ガスが放つ光は赤いため、Sh2-284は全体が赤みを帯びた星雲として写っています。HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあり、新たな星が誕生する現場であることから“星のゆりかご”と呼ばれることもあります。

また、水素ガスを電離させる若い星々の放射と恒星風は星雲のガスや塵を押しのけていきます。ESOによればSh2-284の中央には「Dolidze 25(ドリーゼ25)」と呼ばれる散開星団が存在しており、星雲を侵食して空洞を形成しています。その周囲には侵食されにくい高密度な部分が“柱”のように残っていて、侵食する星団の位置を指し示しています。

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【▲ VLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された星雲「Sh2-284」。星団の星々から放出された恒星風が広がる方向(矢印)と、侵食されにくい高密度な部分(点線)が示されている(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU)】
【▲ VLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された星雲「Sh2-284」。星団の星々から放出された恒星風が広がる方向(矢印)と、侵食されにくい高密度な部分(点線)が示されている(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU)】

ちなみに、ESOはSh2-284を「’Smiling cat’ nebula」(「微笑む猫」星雲)と表現しています。そう言われてみれば、中央を左右に走る暗い亀裂のような部分が猫のウィスカーパッド(口元の“ω”に見える部分)を描いているように見えてきませんか?

本稿に掲載したSh2-284の画像はESOが運営するパラナル天文台(チリ)の「VLTサーベイ望遠鏡(VST)」に搭載されている広角カメラ「OmegaCAM」で取得した画像(5種類の光学フィルターを使用)をもとに作成されたもので、ESOから2023年6月27日付で公開されています。

 

Source

  • Image Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: CASU
  • ESO – ‘Smiling cat’ nebula captured in new ESO image

文/sorae編集部

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