こちらは「しし座」の方向約3000万光年先にあるレンズ状銀河「NGC 3489」です。明るい中心部分とその周囲で渦巻く網目のような塵の帯が、淡い輝きを放つ領域のなかに埋め込まれているような姿をしています。

レンズ状銀河は渦巻銀河と楕円銀河の中間にあたる形態の銀河です。渦巻銀河と同じように中央部分の膨らみや円盤構造を持つものの、渦巻銀河の特徴である渦巻腕(渦状腕)はありません。また、楕円銀河と同じように古い星が多く、レンズ状銀河では星形成活動もほとんどみられないといいます。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたレンズ状銀河「NGC 3489」(Credit: NASA, ESA, P. Erwin (Max-Planck-Institut fur extraterrestrische Physik), L. Ho (Peking University), and S. Kaviraj (University of Hertfordshire); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたレンズ状銀河「NGC 3489」(Credit: NASA, ESA, P. Erwin (Max-Planck-Institut fur extraterrestrische Physik), L. Ho (Peking University), and S. Kaviraj (University of Hertfordshire); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】

アメリカ航空宇宙局(NASA)によればNGC 3489は活動銀河の一種であるセイファート銀河(セイファート2型)に分類されており、その中心部には狭い領域から強い電磁波を放射する活動銀河核(AGN)があることが知られています。

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活動銀河核の原動力は銀河の中心部に存在するとされる超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)だと考えられています。NASAによると、活動銀河核のなかには非常に明るく輝くために銀河そのものを観測できない場合があるものの、セイファート銀河の活動銀河核は他の種類と比べて比較的暗いため、超大質量ブラックホールを宿す銀河の姿もはっきりと見ることができるということです。

なお、活動銀河核の種類を説明するモデルに「活動銀河核の統一モデル」というものがあります。このモデルでは活動銀河核のブラックホールはどれもみな塵を含むトーラス(ドーナツ形をした厚いリング状の構造)に囲まれた基本構造をしていて、活動銀河核の種類の違いは地球から見たトーラスの角度の違いによって生じていると考えられています。このモデルに従えば、地球から見たトーラスが真横かそれに近い角度だった場合、その銀河はセイファート銀河として観測されることになります。

【▲ 参考:トーラスに対する観測者の視点(△印)と活動銀河核の種類(右側)の関係を示した動画(英語)】
(Credit: ESO/L. Calçada and M. Kornmesser)

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータをもとに作成されたもので、NASAから2023年5月1日付で公開されています。

 

Source

  • Image Credit: NASA, ESA, P. Erwin (Max-Planck-Institut fur extraterrestrische Physik), L. Ho (Peking University), and S. Kaviraj (University of Hertfordshire); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
  • NASA – Hubble Observes an In-between Galaxy

文/sorae編集部

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