【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「Z 229-15」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Barth, R. Mushotzky)】

こちらは「こと座」の方向約3億9000万光年先にある渦巻銀河「Z 229-15」です。明るく輝く中心部分からは2本の渦巻腕(渦状腕)が伸びていて、中心部分を大きく取り囲むようなリング状の構造が形成されています。

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Z 229-15は活動銀河の一種(セイファート1型)として知られており、その中心には狭い領域から強い電磁波を放射する活動銀河核(AGN)が存在しています。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によれば、Z 229-15の活動銀河核はクエーサー(Quasar)に分類されています。特に明るいタイプの活動銀河核であるクエーサーは遠方宇宙で見つかっているものが多く、数億光年程度の距離にあるZ 229-15の活動銀河核は、比較的近い宇宙に存在するクエーサーの一例と言えます。

強い電磁波を放射する活動銀河核の原動力は、質量が太陽の数十万倍から数十億倍にもなる超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)だと考えられています。ブラックホールに引き寄せられたガスなどの物質は真っすぐに落下していくのではなく、ブラックホールを周回しながら降着円盤と呼ばれる構造を形成しつつ、らせん状に落下していきます。物質が落下する過程で重力エネルギーが解放されることで降着円盤は高温になり、様々な波長の電磁波が放射されます。ブラックホールそのものを電磁波で観測することはできませんが、その周囲に形成された降着円盤から放射された可視光線やX線などを捉えることで、間接的にその性質を調べることができるのです。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」および「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚としてESAから2023年3月27日付で公開されています。

 

Source

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Barth, R. Mushotzky
  • ESA/Hubble – Everything, in one place, all at once

文/sorae編集部

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