ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“からす座”の矮小銀河「UGCA 307」
【▲ 矮小銀河「UGCA 307」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully)】
【▲ 矮小銀河「UGCA 307」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully)】

こちらの画像は、右側に写っているのは「からす座」の方向約2600万光年先にある矮小銀河「UGCA 307」の姿です。矮小銀河は天の川銀河と比べて規模が100分の1程度の小さな銀河で、数十億個ほどの恒星が集まってできています。渦巻銀河が持つ渦巻腕(渦状腕)のような目立った構造こそみられないものの、UGCA 307の中央付近には最近の星形成活動を示す赤い斑点のような星形成領域が見えています。

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得されたデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されています。ハッブル宇宙望遠鏡によるUGCA 307の観測は、天の川銀河から10メガパーセク(約3260万光年)以内に存在する近傍のすべての銀河を正確に観測するためのキャンペーン「Every Known Nearby Galaxy」の一環として実施されました。この観測キャンペーンでは153個の銀河を対象に、2019年から2021年にかけてハッブル宇宙望遠鏡による観測が実施されています。ESAによると、天の川銀河の隣人とも言える近傍の銀河の観測は、天文学者が様々な銀河に存在する星の種類を断定し、宇宙の局所構造をマッピングする上で役立つということです。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2023年3月13日付で公開されています。

 

Source

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully
  • ESA/Hubble - Hubble’s neighbourhood watch

文/sorae編集部