3月になると桃の花も咲き始め、季節は一足一足春へと近づいていきます。冬と春の境目であるこの季節は、星空でも冬の星座と春の星座を見ることができます。

西の空には冬の星座の王者「オリオン座」があります。ベテルギウスとリゲルという2つの一等星を含む砂時計のような形がオリオン座の目印です。

オリオン座と向かい合うように一等星のアルデバランを輝かせているのが「おうし座」です。アルデバランとつながる“おうし”の顔で小さな「V」の字に並ぶ「ヒアデス星団」と、“おうし”の肩の辺りで小さくまとまった「プレアデス星団(すばる)」という二つの星団が目を引きます。

【▲ 冬空に見られる豪華な星座と星々(Credit: sorae編集部)】

オリオン座の東には「おおいぬ座」と「こいぬ座」があります。それぞれシリウスとプロキオンという一等星があり、オリオン座の一等星ベテルギウスと結ぶと「冬の大三角」になります。冬の大三角から目を上げれば、一等星のポルックスと二等星のカストルが並ぶ「ふたご座」や、一等星のカペラから五角形に星が並ぶ「ぎょしゃ座」があります。

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このように冬の星座は一等星を持つものが多く、四季の中で最も豪華な星空が楽しめます。

冬の星座が西の空へ傾く頃、東の空からは春の星座が昇ってきます。春の星座の王者は「しし座」です。「?」の文字をひっくり返したような「ししのおおがま」の形を目印に星を辿っていくと、西の空を向いて駆けていくライオンの姿が浮かび上がります。

【▲ しし座と一等星「レグルス」(Credit: sorae編集部)】

しし座の胸に位置するレグルスは一等星ですが、あまり明るく見えません。21個ある一等星のうち、レグルスは最も暗い星なのです。一等星で最も明るいシリウスを100とすれば、レグルスは7となり、明るさの差は一目瞭然です。

しし座から北の空へ目を移すと、7つの星からなるひしゃくの形をした「北斗七星」が見つかります。北斗七星から星を結ぶと、しし座よりも一回り大きいクマの姿をした「おおぐま座」が浮かび上がります。北極星に近いおおぐま座はほぼ一年中見られますが、特に春から夏にかけては空の高いところに上って見やすくなります。

【▲ おおぐま座の尻尾で”ひしゃくの形”をした「北斗七星」(Credit: sorae編集部)】

今年(2023年)の3月は、惑星の輝きも楽しむことができます。夕方、沈みゆく太陽を追いかけるように連れ立って輝く金星と木星は3月2日に最接近し、満月1個分の距離にまで近づきます。

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また、夜になると、おうし座のアルデバランのやや上側(天頂側)に火星が見られます。火星は赤い色をしていますが、これは地表に赤サビ(酸化鉄)が含まれているためです。火星は英語で「Mars」といいますが、これはローマ神話における戦いの神「マルス(英名マーズ)」が由来となっています。

ちなみに、3月を表す「March」も同じくマルスから名づけられたといわれています。3月は気候が良くなり、軍隊を動かし始める季節であることが関係しているようです。

【▲ 2023年3月中旬 20時頃の「火星」の位置(Credit: sorae編集部)】

日本の3月は卒業や進級を迎える出発の季節です。勇ましい軍神の星・火星を眺めていると、新生活へ向かう勇気が湧いてくるかもしれませんね。

 

 

Source

文/sorae編集部

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