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【▲ 2022年9月22日にハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された土星(Credit: Science: NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Alyssa Pagan (STScI))】

こちらは「ハッブル」宇宙望遠鏡が捉えた土星の画像です。2022年9月22日にハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータ(可視光線のフィルター3種類を使用)をもとに作成されました。

土星は自転軸が公転面に対して約27度傾いているので、地球と同じように季節の変化があります。ただし、土星の公転周期(つまり土星にとっての「1年」)は約30年なので、土星の春夏秋冬の長さはそれぞれ約7年です。2017年5月に北半球が夏至を迎えたあと、地球から見た土星は環の傾きが小さくなり続けています。土星は2025年5月に秋分を迎えるため、今後数年間は土星の環を真横やそれに近い角度から見ることになります。

環の左側をよく見ると、白く明るいB環にシミのような黒っぽい部分があります。これは土星の環に一時的に現れる「スポーク(spoke)」と呼ばれる模様です。ハッブル宇宙望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、スポークはその名が示すように環の広い範囲に放射状に現れることもあれば、この画像のように塊状にみられることもあります。また、太陽光の当たり方や地球から見た環の傾きによっては明るく見えることもあるといいます。

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スポークはアメリカ航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー」によって初めて観測されましたが、実はその原因はまだよくわかっていません。スポークは土星の環に常に存在しているわけではなく、春分や秋分の前後に現れては、夏至や冬至が近付いた頃に消滅するという季節性のサイクルを繰り返しています。

STScIによれば、スポークの発生と消滅には土星の磁場の変動が関わっているのではないかと予想されています。土星の磁場が太陽風と相互作用することで、土星の環を構成する最小サイズの粒子が帯電し、より大きな粒子や岩の上に一時的に浮揚することでスポークが現れるのではないかというわけです。

ハッブル宇宙望遠鏡による土星の観測は、太陽系の巨大ガス惑星の大気の変化を捉える「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」プログラムのもとで実施されています。OPALプログラムで得られた今回の“スポークシーズン”のデータが土星探査機「カッシーニ」(2017年9月に運用終了)のデータに加わることで、スポークという現象の全体像や土星の環の物理特性が明らかになるかもしれないと期待されています。

冒頭の画像はNASA、STScI、欧州宇宙機関(ESA)から2023年2月9日付で公開されています。

【▲ 冒頭の画像の注釈付きバージョン。スポーク(spokes)の位置などが示されている(Credit: Science: NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Alyssa Pagan (STScI))】
【▲ 冒頭の画像の注釈付きバージョン。スポーク(spokes)の位置などが示されている(Credit: Science: NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Alyssa Pagan (STScI))】

 

Source

  • Image Credit: ESA/Hubble, NASA & A. Simon, A. Pagan (STScI)
  • NASA – Hubble Captures the Start of a New Spoke Season at Saturn
  • ESA – Spokes Spotted In Saturn’s Rings
  • STScI – Hubble Captures the Start of a New Spoke Season at Saturn

文/sorae編集部

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