大マゼラン雲の青き天体。散開星団「NGC 1858」をハッブルが撮影
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された散開星団「NGC 1858」(Credit: NASA, ESA and G. Gilmore (University of Cambridge); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された散開星団「NGC 1858」(Credit: NASA, ESA and G. Gilmore (University of Cambridge); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された散開星団「NGC 1858」(Credit: NASA, ESA and G. Gilmore (University of Cambridge); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America))】

こちらは南天の「かじき座」の方向にある散開星団「NGC 1858」です。NGC 1858は地球から約16万光年離れた天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)のひとつ「大マゼラン雲」(LMC:Large Magellanic Cloud、大マゼラン銀河とも)にあります。

散開星団は、数十~数百個の恒星がまばらに緩く集まっている天体。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、NGC 1858は形成されてからまだ1000万年ほどの若い星団です。NGC 1858では誕生したばかりの星である原始星も見つかっており、星団内の星形成活動がまだ活発か、あるいは停止して間もない可能性があるといいます。

また、NGC 1858は恒星から放射された紫外線によって電離した星間ガスが光を放つ輝線星雲でもあり、画像の中央から右下にかけてその輝きが捉えられています。NASAによれば、ガスを電離させる紫外線は比較的寿命が短い大質量星に由来することからも、最近起きたNGC 1858の星形成活動が示唆されるようです。

冒頭の画像は「ハッブル宇宙望遠鏡」で取得した画像をもとに作成されたもので、NASAが2022年12月2日付で紹介しています。

 

Source

  • Image Credit: NASA, ESA and G. Gilmore (University of Cambridge); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
  • NASA - Hubble Spies Emission Nebula-Star Cluster Duo

文/松村武宏