【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で撮影された暗黒星雲「L1527」(Credit: Science: NASA, ESA, CSA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI), Alyssa Pagan (STScI), Anton M. Koekemoer (STScI) )】

【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で撮影された暗黒星雲「L1527」(Credit: Science: NASA, ESA, CSA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI), Alyssa Pagan (STScI), Anton M. Koekemoer (STScI) )】

こちらは「おうし座」の方向約460光年先にある暗黒星雲「L1527」です。オレンジ、ピンク、ブルーに彩られた一対の輝く扇形が、砂時計のような姿を浮かび上がらせています。

画像を公開したアメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、砂時計のくびれ(オリフィス)にあたる部分には、形成されてから10万年ほどしか経っていない原始星が存在しています。その推定質量は太陽の20~40パーセントで、恒星のエネルギー源である水素の核融合反応がまだ始まっていない段階にあるとみられています。L1527で描き出された砂時計には、この原始星が関係しているようです。

原始星は原始惑星系円盤と呼ばれるガスや塵でできた円盤状の構造に囲まれていて、星から放射された光は円盤に囲まれていない上下の方向にだけ漏れ出すことができます。円盤の上下方向には原始星から放出された物質によって空洞が形成されており、上下に漏れ出した光がこの空洞を照らし出しすことで、砂時計のような姿が浮かび上がっているというわけです。

また、私たちはL1527の原始惑星系円盤を横から見ているため、砂時計のくびれの部分には円盤の存在を示す暗い線も見えています。STScIによれば、L1527の円盤は太陽系とほぼ同じ大きさがあるといいます。約46億年前に形成された当時の太陽系も、このような姿に見えていたのかもしれません。


冒頭の画像は「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡の「近赤外線カメラ(NIRCam)」を使って取得された画像をもとに作成され、STScIから2022年11月16日付で公開されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は人の目で捉えることができない赤外線の波長で主に観測を行うため、画像の取得時に使用された4種類のフィルターに応じて着色・合成されています(F200W:青、 F335M:緑、F444W:赤、F470N:オレンジで着色)。

 

関連:まるで別の惑星で見上げた夜空。ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した矮小銀河の星々

Source

  • Image Credit: Science: NASA, ESA, CSA, STScI; Image Processing: Joseph DePasquale (STScI), Alyssa Pagan (STScI), Anton M. Koekemoer (STScI)
  • STScI - NASA’s Webb Catches Fiery Hourglass as New Star Forms

文/松村武宏

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