【▲ 球状星団「NGC 6638」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen)】

【▲ 球状星団「NGC 6638」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen)】

こちらは「いて座」の方向にある球状星団「NGC 6638」の中心付近を捉えた画像です。球状星団とは、数万~数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。天の川銀河ではこれまでに150個ほどの球状星団が見つかっています。

このNGC 6638の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡を使って撮影されました。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、地球の大気を通して天体を観測する地上の望遠鏡では、球状星団を構成する個々の星を明確に見分けることはほぼ不可能だったといいます。1990年4月に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡の登場は天文学に革命をもたらし、球状星団を構成するのはどのような星々で、どのように進化するのか、そして星々が密集する星団における重力の役割とは何かを研究する上で活用されてきました。

そして今、「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡の登場によって、天文学に再び革命がもたらされようとしています。赤外線での観測に特化したウェッブ宇宙望遠鏡は、ガスと塵に囲まれている生まれたばかりの若い星のように、可視光線では観測が難しい塵に隠されている天体を詳細に観測することが可能です。進化する前の星々でできた形成されたばかりの星団をウェッブ宇宙望遠鏡で観測することで、球状星団の理解がさらに深まると期待されています。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」および「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚としてESAから2022年8月1日付で公開されています。

 

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Source

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen
  • ESA/Hubble - Star-Studded Skyfield

文/松村武宏