【▲ 輝線星雲「RCW 120」(Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab); Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) )】
【▲ 輝線星雲「RCW 120」(Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab); Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) )】

こちらは「さそり座」の方向約4300光年先にある輝線星雲「RCW 120」(または「Sh 2-3」)の姿。星雲を燃え盛る炎のように見せている印象的な赤い光は、若く高温な大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスから放たれています。

電離した水素ガスが光を放つこのような領域は、HII(エイチツー)領域と呼ばれています。HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあり、新たな星が誕生する現場であることから「星のゆりかご」と呼ばれることもあります。

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画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、RCW 120では天の川銀河で最も明るい星の1つになるかもしれない生まれたばかりの星が発見されているといいます。この星は欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ハーシェル」の観測で見つかったもので、発見時点ですでに太陽の8~10倍の質量があると推定されており、周囲に存在するガスや塵(質量は太陽の2000倍ほど)を取り込むことで、今後数十万年かけてさらに成長する可能性があるようです。

冒頭の画像はセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のSMARTS 0.9m望遠鏡を使って撮影されたもので、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2022年7月27日付で公開されています。

 

関連:電波&赤外線で観測された大マゼラン雲の「タランチュラ星雲」

Source

  • Image Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab); Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
  • NOIRLab - A Crimson Nursery
  • ESA - Herschel reveals the hidden side of star birth

文/松村武宏

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