【▲ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したプロキシマ・ケンタウリ(Credit: ESA/Hubble & NASA)】

【▲ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したプロキシマ・ケンタウリ(Credit: ESA/Hubble & NASA)】

雨が降ったり雲に覆われたりして、星の眺められない日が続くと、気持ちまで鬱陶しくなりませんか?

そんな夜は「バーチャルツアー」に出かけてみましょう。目的地はプロキシマ・ケンタウリ。プロキシマ・ケンタウリは太陽系に最も近い恒星として知られています。「プロキシマ」とはラテン語で「最も近い」という意味。近いとはいってもケンタウルス座の方向、4.2光年の距離にあり、光のスピードでも4年以上かかります。

この動画では、太陽系(地球)を離れると「みなみじゅうじ座」の明るい星やケンタウルス座のα星とβ星が見えてきます。やがて、ケンタウルス座α星に近づくと微かな赤い星を通過します。この星がプロキシマ・ケンタウリです。プロキシマ・ケンタウリは「赤色矮星」と呼ばれる種類の星で、実視等級は11等なので、肉眼で見ることはできません。

ケンタウルス座α星にさらに近づくと、A」と「Bに分かれ、二重星(連星)だったことがわかります。実は、プロキシマ・ケンタウリは、この星系(「αケンタウルス星系」または「ケンタウルス座α星系」)の「C」にあたる星で、ケンタウルス座α星は「三重連星」だったのです。背景に太陽が見えてくるところでこの動画は終わっています。

【▲「αケンタウルス星系」のイメージ(Credit:天文学辞典(日本天文学会)/名古屋市科学館)】

【▲「αケンタウルス星系」のイメージ(Credit:天文学辞典(日本天文学会)/名古屋市科学館)】

2016年、プロキシマ・ケンタウリを公転する惑星(太陽系外惑星)「プロキシマ・ケンタウリbが見つかりました。

次の動画は、最初は冒頭の動画とほぼ同じですが、微かな赤い星であるプロキシマ・ケンタウリに焦点を当て近づいていきます。終盤は系外惑星プロキシマ・ケンタウリbの影が手前に大きく映し出されて終わります。

プロキシマ・ケンタウリb「ハビタブルゾーン」の内側を公転していると考えられています。ハビタブルゾーンとは、生命(地球型生命)が居住できる可能性のある惑星空間のことを指していて、具体的には液体の水が惑星表面に存在する可能性があることを意味します。

最後の動画では、プロキシマ・ケンタウリb緑色で示されたハビタブルゾーン内を周回している様子が描かれています。後半はアーティストが想像したプロキシマ・ケンタウリbの表面(外観)も描かれていて、動画を見る側も想像力がかきたてられます。

最近、プロキシマ・ケンタウリbとは別の系外惑星「プロキシマ・ケンタウリc」や「プロキシマ・ケンタウリdの存在も報告されています。

関連:最寄りの恒星「プロキシマ・ケンタウリ」の新たな系外惑星候補が報告される

プロキシマ・ケンタウリへのバーチャルツアーが現実のツアーになる日が来るかどうかはわかりませんが、想像力の翼はいつでも時空を超えて「宙」を飛ぶことができます。

 

Source

  • Video Credit: European Southern Observatory (ESO)
  • Image Credit: NASA,ESA,Hubble / 天文学辞典(日本天文学会)/名古屋市科学館
  • European Southern Observatory (ESO)

文/吉田哲郎