【▲ 棒渦巻銀河「NGC 7496」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team; Acknowledgement: J. Schmidt)】

【▲ 棒渦巻銀河「NGC 7496」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team; Acknowledgement: J. Schmidt)】

こちらは南天の「つる座」の方向約2400万光年以上先にある棒渦巻銀河「NGC 7496」です。棒渦巻銀河とは、中心部分に棒状の構造が存在する渦巻銀河のこと。欧州宇宙機関(ESA)によると、棒状構造は私たちが住む天の川銀河をはじめ、渦巻銀河の半分程度が持つと考えられています。

画像のNGC 7496は中心部分の赤みを帯びたバルジ(銀河のバルジ)と青い輝きに彩られた渦巻腕(渦状腕)のコントラストが美しく、右端に写る天の川銀河内の星(約850光年先)がアクセントを加えているかのようです。腕の巻き付き具合は緩く、裏返したアルファベットの「S」のようにも見えます。

ちなみに、88星座のうち鳥にちなんだ星座は9つありますが、南天にはNGC 7496がある「つる座」の他にも「くじゃく座」「ほうおう座」「きょしちょう座」があります。名前はそれぞれ「鶴」「孔雀」「フェニックス(日本名は鳳凰から)」「巨嘴鳥(オオハシ)」に由来しており、ESAによれば「Southern Birds」と総称されています。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(紫外線・可視光線・赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として2022年5月30日付でESAから公開されています。

なお、この画像は近傍宇宙の銀河を対象とした観測プロジェクト「PHANGS」(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS)の一環として取得されました。PHANGSプロジェクトにはハッブル宇宙望遠鏡をはじめ、チリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡(ALMA)」や、同じくチリのパラナル天文台にあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の「超大型望遠鏡(VLT)」が参加。銀河における星形成を理解するために、様々な波長の電磁波を使った高解像度の観測が5年以上の歳月をかけて行われました。

 

Advertisements

関連:天の川銀河のバルジで輝く球状星団の星々。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

Source

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team; Acknowledgement: J. Schmidt
  • ESA/Hubble - Hubble Goes Galactic Birdwatching

文/松村武宏

Twitterでフォローしよう