ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した散光星雲「NGC 7635」、別名「バブル星雲(Bubble Nebula)」(Credit: NASA, ESA, Hubble Heritage Team)

【▲ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した散光星雲「NGC 7635」、別名「バブル星雲(Bubble Nebula)」(Credit: NASA, ESA, Hubble Heritage Team)】

こちらは「カシオペヤ座」の方向およそ7100光年先にある散光星雲「NGC 7635」です。画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」が2016年2月に取得した観測データから作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ26周年記念画像として同年4月に公開されました。画像の色は青が酸素緑が水素赤が窒素の分布に対応しています。

印象的な球形の構造が泡のように見えることから、NGC 7635は「バブル星雲(Bubble Nebula)」とも呼ばれています。ハッブル宇宙望遠鏡を運用するアメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、泡の幅はおよそ7光年。太陽から最寄りの恒星「ケンタウルス座アルファ星」までの距離が約4.3光年ですから、バブル星雲はその1.5倍ほどに渡って広がっていることになります。

このバブル星雲を「音」に変換して短い動画にまとめた作品が、アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターから公開されました。まずは音に変換されたバブル星雲の神秘的な音色をお楽しみ下さい。

▲Sonification of the Bubble Nebula▲
(Credit: Sonification: SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida))

非言語音を使って画像などの情報を伝えるこのような手法は「ソニフィケーション」(可聴化)と呼ばれています。動画では画像の縦方向が時間の流れに置き換えられた上で、音の高さで画像の色が、音の強弱で明るさが表現されています。前半は画像左上に広がる赤やオレンジ色に対応する低い音が響きますが、再生部分がバブル星雲に差し掛かると青に対応する高い音が強く奏でられるようになります。

なお、バブル星雲を特徴付けている泡状の構造は、泡の中にある恒星「BD +60°2522」(SAO 20575)から恒星風として吹き出したガスが星の周囲に広がる冷たい星間ガスに衝突し、星間ガスを押しのけたことで形成されたと考えられています。冒頭の画像では、この星は泡の中心から見て左上に赤い光点として写っています。

STScIによると、BD +60°2522は質量が太陽の40倍以上もある非常に明るく短命の星で、誕生してから約400万年が経ったと推定されています。この星では外層の水素の大半が失われてヘリウムの核融合反応が進んでいるとみられており、1000万年から2000万年後には超新星爆発を起こすと予想されています。

 

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Image Credit: NASA, ESA, Hubble Heritage Team
Sonification Credit: SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida)
Source: ゴダード宇宙飛行センター
文/松村武宏