1974年にマリナー10号によって撮影された金星の画像。※コントラストを高めに調整(Credit: NASA/Jet Propulsion Laboratory-Caltech)

【▲ 1974年にマリナー10号によって撮影された金星の画像。※コントラストを高めに調整(Credit: NASA/Jet Propulsion Laboratory-Caltech)】

スイスのジュネーヴ大学は10月13日、ジュネーヴ大学サイエンス学部天文学科の研究者マーティン・ターベットさん率いる研究チームが、洗練された3D全球気候モデルを使って、古代の金星にはやはり海は存在しなかった可能性があることを明らかにしたと発表しました。

金星は地球によく似ています。地球と同じ岩石惑星で、大きさは地球とほぼ同じ、質量は地球の8割ほど、厚い大気を持っています。そのため地球の兄弟星と呼ばれています。

しかし、その環境は地球とは全く異なっていてまるで地獄のようです。大気の主成分は二酸化炭素で、地表での気圧は90気圧ほど、地表付近の気温は460℃ほど20kmほどにもなる硫酸の雲で覆われています。まさに地獄です。

しかし、近年の研究によって、数十億年前の古代の金星は海が存在し温暖な気候だった可能性があることが指摘されてきました。

そこで、研究チームは、地球の気候の研究などに使われる、洗練された3D全球気候モデル(three-dimensional global climate model)を初めて使って、40億年以上前に金星が形成されたときからの、このとき金星はまだマグマオーシャンに覆われていましたが、金星の気候をシミュレーションしました。すると、気温が高すぎるために、大気中の水蒸気は、雨滴になることができず、その結果、は形成されないことが解りました。

研究チームによれば、これは主に金星の夜側で形成された雲が、あたかも毛布のような働きをし、非常に強力な温室効果を発揮するために、これまで考えられていたよりも金星が冷えるスピードが遅くなるためだ、といいます。

ただ、研究チームによれば、どちらの見解が正しいかは、理論的なモデルを使ったコンピューター上のシミュレーションだけでは結論を出すことはできず、決着は、今後実施されるESAやNASAによる「DAVINCI+」などの金星探査ミッションによる実際の観測データに待たなければならないそうです。

 

Image Credit: NASA/Jet Propulsion Laboratory-Caltech
Source: ジュネーヴ大学プレスリリース論文
文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)

 オススメ関連記事