渦巻銀河「M106」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA, Acknowledgment: PI: M.T. Patterson (New Mexico State University), Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage), M. Zamani & D. de Martin)

【▲ 渦巻銀河「M106」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA, Acknowledgment: PI: M.T. Patterson (New Mexico State University), Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage), M. Zamani & D. de Martin)】

こちらは「りょうけん座」の方向およそ2000万光年先にある渦巻銀河「M106」(NGC 4258)です。M106は天の川銀河よりも一回り大きく、その幅は13万光年以上。画像には内側と希薄な外側に分かれた構造をしているM106の銀河円盤がはっきりと捉えられています。若く高温な青い星々の輝きや、星形成領域の存在を示す電離した水素の赤い輝き、渦巻腕に沿って分布する塵が豊富な暗いダストレーン(ダークレーン)に加えて、立ち昇る炎のような赤い構造が中心付近に小さく写っているのがわかりますでしょうか。

M106の中心部分には、太陽の約4000万倍もの質量がある超大質量ブラックホールが存在すると考えられています。米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、ブラックホールの活動は大量のガスや塵を取り込むだけでなく、周囲のガスでできた円盤を歪めて物質を激しくかき回し、ガスを放出させているといいます。中心部分の赤く明るい炎のようなものは、このガスでできた構造なのです。

M106から流れ出るガスの構造は過去にも「ハッブル」宇宙望遠鏡によって観測されており、M106の銀河円盤からは3億年以内にガスが失われると推定されています。

関連:炎が吹き出ているようなアーチ構造をもつ渦巻銀河「M106」

また、画像には「NGC 4248」(M106の右下)や「UGC 7356」(同左)といったM106の近くにある小さな銀河だけでなく、これらの銀河よりも遠くに存在する幾つもの銀河が捉えられていて、一部はM106の銀河円盤越しに見えています。どの銀河にも何十億から何千億もの星々が存在しているかと思うと、どこかに星空を見上げている人類以外の誰かがいるのでは……と想像せずにはいられません。

冒頭の画像はアメリカのキットピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡によって撮影されたもので、NOIRLabから2021年3月16日付で公開されています。

 

関連:ダークエネルギーカメラが撮影した電波銀河「ケンタウルス座A」の姿

Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Acknowledgment: PI: M.T. Patterson (New Mexico State University)
Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage), M. Zamani & D. de Martin
Source: NOIRLab
文/松村武宏

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