
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターは2021年8月22日、同センターの天文学者であるアミール・シラジ氏やアヴィ・ローブ氏らが率いる研究チームが、太陽系の最果てにある「オールトの雲(Oort Cloud)」において、元々太陽系に属する天体よりも恒星間天体の数の方が多い可能性を突き止めたと発表しました。

オールトの雲とは
太陽系の最も外側にあるとされるオールトの雲は、太陽から1万〜10万AU(1AUは太陽から地球までの平均距離)離れたところにあり、約1兆個の氷の微惑星が球殻状に太陽系を取り囲んでいると考えられています。長周期彗星(公転周期が200年以上の彗星)はここからやってくると考えられており、「彗星の巣」とも呼ばれています。

オールトの雲には恒星間天体が多い?
研究チームが、ボリソフ彗星の検出から導き出された恒星間天体が太陽系を訪れる頻度に関する結論に基づいて計算したところ、オールトの雲においては、元々太陽系に属する天体よりも恒星間天体(星間空間に存在する彗星、小惑星、岩石惑星など)の数の方が多い可能性があることが分かりました。
太陽系の内側では、太陽の重力が強いため恒星間天体は稀ですが、太陽系の外側では太陽の重力が弱まるため、より多くの恒星間天体がそのまま留まる可能性があります。
シラジ氏は「私たちは、太陽系外からの訪問者がより多く存在しうることを発見しつつあります」とコメントしています。
なお、ボリソフ彗星は、オウムアムアに次いで発見された2番目の恒星間天体ですが、恒星間彗星としては人類史上初めて確認されたものです。
では、なぜ恒星間天体はこれまでほとんど見つかっていないのでしょうか。
現在の技術の限界
研究チームによれば、それは観測技術の限界によるものだといいます。
オールトの雲は地球から非常に遠く、また、その天体は恒星のように自ら光を放っていません。そのため、現在の技術では観測することが非常に難しいのです。
研究チームは、2022年中に稼働が予定されている口径8.4mの可視光・赤外線望遠鏡を持つNSFヴェラ・C・ルービン天文台などの次世代の観測技術によって、彼らの研究結果が観測的に実証されることを期待しています。
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Source
- Image Credit: NASA, ESA and D. Jewitt (UCLA), Shutterstock
- ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのプレスリリース
- 論文
文/飯銅重幸

























