【▲ 中心星の周りを回る系外惑星の想像図(Credit: NASA)】

NASAは7月12日、NASAのエイムズ研究センターなどで研究するクリスティーナ・ヘッジスさん率いる研究チームが、トランジット系外惑星探索衛星TESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite)のデータを使って、若い兄弟星「TOI 2076」と「TOI 1807」について、合計4つの系外惑星を発見したと発表しました。発見されたのは「TOI 2076 b」、「TOI 2076 c」、「TOI 2076 d 」、「TOI 1807 b」の4つです。

研究チームによれば、この発見によって、まだよく解っていない惑星進化の若い段階に関する理解が深まることが期待されるといいます。

TOI 2076とTOI 1807は、地球から130光年以上離れたところにあり、互いに30光年ほど離れています。ともに2億歳ほどととても若いです。ちなみに私達の太陽は46億歳ほどです。

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイアのデータから、TOI 2076とTOI 1807は宇宙空間を同じ方向に移動していることが解っています。そのため、この2つの恒星は、距離が離れ過ぎているために連星ではありませんが、同じ分子雲で誕生したのではないかと考えられています。いわば、TOI 2076とTOI 1807は兄弟星(Stellar Siblings)というわけです。

そして、TOI 2076とTOI 1807は、とても若いために、太陽と同じ歳になったときに比べて、おそらく10倍もの紫外線を放射しています。

研究チームは、このようなTOI 2076とTOI 1807について、TESSのデータを使って、トランジット法により、合計4つの系外惑星を発見しました。

まず、TOI 2076について、TOI 2076 b(大きさは地球の3倍ほど、公転周期は10日)、TOI 2076 c(大きさは地球の4倍超ほど、公転周期は17日超ほど)、TOI 2076 d(大きさは地球の4倍超ほど、公転周期は17日超ほど)の3つです。

そして、TOI 1807についてはTOI 1807 b(大きさは地球の2倍ほど、公転周期はちょうど13時間)の1つだけです。

理論モデルによると、惑星は、最初、原始惑星系円盤内で形成されたときから残っている厚い大気を持っています。しかし、そのうちのいくつかの惑星は若い中心星の強烈な放射によってこの大気を剥ぎ取られて岩石のコアが剥き出しになります。ただ、さらに、そのうちのいくつかの惑星は、その後、火山活動などその惑星自身のプロセスによって、再び、二次的に大気を獲得します。

研究チームによれば、TOI 2076とTOI 1807の年齢から考えて、TOI 2076とTOI 1807の惑星達は、まさにこのような惑星の大気進化の途上にあることが示唆されるといいます。

今回の論文の共著者であるトレバー・デイビッドさんは、「TESSによるTOI 2076とTOI 1807の発見は、(まだよく解っていない)この若い段階における惑星の進化に関する理解を深めることになるでしょう」とコメントしています。

2021年の後半に打ち上げ予定のNASAの次世代ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の重要なミッションの1つに系外惑星の大気などの観測があります。とても楽しみです。

 

Image Credit: NASA
Source: NASA
文/飯銅重幸

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