【▲ チャンドラX線観測衛星のX線データ(ピンク)、NuSTARの高エネルギーX線データ(紫)、ハッブル宇宙望遠鏡の光学データ(白と薄い茶色)を合成して作成された「Arp 299」の画像。2017年6月26日に公開されたもの(Credit:X-ray: NASA/CXC/Univ of Crete/K. Anastasopoulou et al, NASA/NuSTAR/GSFC/A. Ptak et al; Optical: NASA/STScI)】

冒頭の画像は、6月9日付の本日の1枚として、NASAのホームページ上で紹介されている「Arp 299」の画像です。

Arp 299は、地球から1億4000万光年ほど離れたところにあり、まさに2つの銀河が合体しつつある銀河です。それぞれの銀河の恒星が部分的に交じり合いつつあります。

しかし、Arp 299には、このような恒星の交じり合いだけではなく、他にも興味深いものがあります。それは「超大光度X線源」です。

チャンドラX線観測衛星の観測から、Arp 299には、25個の明るいX線源が確認されていますが、そのうちの14個がこの超大光度X線源に分類されています。銀河の合体などによって活発に恒星が誕生している領域で見つかっています。

超大光度X線源は非常に強いX線を放射するコンパクト天体です。その正体は、あまりよく解っていませんが、そのX線スペクトルは通常のブラックホール連星と非常によく似ているものの、その光度は通常のブラックホール連星よりも1桁から2桁も明るいところから、太陽質量の数十倍から数百倍の中間質量ブラックホールの連星である可能性が指摘されています。また、超大光度X線源の一部は中性子星連星であることが解っています。

Arp 299の超大光度X線源については、NASAによれば、おそらくブラックホール又は中性子星と太陽よりもかなり重い恒星の連星ではないかといいます。このような連星は銀河の合体に伴って活発に恒星が誕生している領域などでよくみられます。

なお、ブラックホール自体はX線を放射しませんが、ブラックホールに恒星などの伴星があると、そこからガスなどを引き寄せて、その周りに降着円盤が形成されることで、ブラックホールの周囲からX線が放射されるようになります。

 

Image Credit:X-ray: NASA/CXC/Univ of Crete/K. Anastasopoulou et al, NASA/NuSTAR/GSFC/A. Ptak et al; Optical: NASA/STScI
Source: NASAチャンドラX線観測衛星
文/飯銅重幸

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