NASAは5月21日、カリフォルニア大学のアレクサンドラ・マニングスさんなどの研究チームが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データを使って、宇宙における謎の爆発的現象、高速電波バースト(fast radio bursts=FRB)の発生源のおおよその位置を特定することに成功したと発表しました。

研究チームは、5つの高速電波バーストの発生源のおおよその位置を特定すると共に、さらに、その発生源がある場所がどのような場所なのか、詳しく調べました。高速電波バーストがどのような場所で発生しているのか解ることは、高速電波バーストの発生原因などを解明するために、重要な意味があります。

■高速電波バーストとは?

高速電波バーストは正体不明の爆発的現象です。1/1000秒ほどの間に、太陽が1年間に生み出すほどのエネルギーが放出されるといわれています。

ただ、高速電波バーストは、電波パルスが瞬間的に観測されるだけなので、その発生源の位置を特定するのは、非常に難しく、これまで、1000個ほどの高速電波バーストが確認されていますが、発生源がある銀河が特定されているものは15個ほどしかありません。

■高速電波バーストの発生源のおおよその位置を特定し、その場所の性質を調べる

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡のデータによって特定された高速電波バーストのおおよその位置を示す画像(Credit: SCIENCE: NASA, ESA, Alexandra Mannings (UC Santa Cruz), Wen-fai Fong (Northwestern) IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI))】

研究チームは、高解像度を誇るハッブル宇宙望遠鏡のデータを使って、5つの高速電波バーストについて、発生源のおおよその位置を特定しました。5つの高速電波バーストの発生源は全て発生源のある銀河の椀またはその付近にありました。

それから、研究チームはその発生源がある場所がどのような場所なのか詳しく調べました。

高速電波バーストの発生源のある銀河はいずれも数十億年前のもので、そのほとんどが、重く、比較的に若くて、まだ星を形成している銀河でした。そして、高速電波バーストは、このような銀河で、重い恒星が集る、最も明るい領域では発生していませんでした。

このことから、研究チームによれば、高速電波バーストが、最も若く重い恒星が死を迎えるときに引き起こすガンマ線バーストやある種の超新星爆発に由来している可能性が排除されるといいます。

また、中性子星の合体も、合体するまでに数十億年もかかる上に、通常、星の形成が止まった、古い銀河の、腕からはるかに離れたところで発生するために、これに由来している可能性も排除されるといいます。

研究チームでは、今回の研究結果からは、高速電波バーストは、若いマグネターの表面で起こるフレアなどによって引き起こされる可能性が最も高いと考えられるとしています。

 

Image Credit: SCIENCE: NASA, ESA, Alexandra Mannings (UC Santa Cruz), Wen-fai Fong (Northwestern) IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI)
Source: NASA
文/飯銅重幸

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